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監査難民 講談社BIZ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2007/09/27 |
JAN | 9784062820660 |
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商品レビュー
3.9
18件のお客様レビュー
カネボウと日興コーディアルの粉飾をきっかけに解散に追い込まれた中央青山監査法人の最後までのエピソードを綴りつつ、日本経済における監査法人が今後、会社が求めても受けてくれるところがいなくなるんじゃないかという危機感を持ってまとめられた一冊。結局多数の監査法人によるダンピング競争で今...
カネボウと日興コーディアルの粉飾をきっかけに解散に追い込まれた中央青山監査法人の最後までのエピソードを綴りつつ、日本経済における監査法人が今後、会社が求めても受けてくれるところがいなくなるんじゃないかという危機感を持ってまとめられた一冊。結局多数の監査法人によるダンピング競争で今や公認会計士のリストラまで行われている時代な現在ですが、共同通信の記者さんだけ会ってけっこうきちんと調べて書いているので書籍としてはクオリティ高いですね。
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カネボウ事件に端を発した、中央青山監査法人の解体までを追った作品。 当時の幹部たち、それを取り巻く企業、金融庁、他の監査法人など、 それぞれの思惑があらゆる方向に錯綜していたことがわかる。 行間から当時の臨場感が伝わってきて、一気に読んでしまった。 会計士は大変だ。
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2007年7月31日に解散した、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)の解散に至る経緯がまとめられている。US ではエンロンの不正会計に関与した問題で2002年8月にアーサーアンダーセンが解散したのと同様に、杜撰な監査、不正会計への関与は監査法人を崩壊させるという事実を突き付け、日...
2007年7月31日に解散した、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)の解散に至る経緯がまとめられている。US ではエンロンの不正会計に関与した問題で2002年8月にアーサーアンダーセンが解散したのと同様に、杜撰な監査、不正会計への関与は監査法人を崩壊させるという事実を突き付け、日本での監査の厳格化への、痛みを伴うきっかけになった。 興味を引かれたのは、解散に至るまでの顛末。 カネボウの粉飾決算発覚(2004年)では、当初はカネボウ側にだまされたという見解だったが、結局担当会計士が逮捕され、不正への関与を認める。逮捕者が出た後も、クライアント企業への影響が大きすぎるので営業停止などの厳罰は無いだろうと思い込むが、結局は2ヶ月間の営業停止処分となり、一部例外を除いて多くのクライアントに影響が出る。また進めていた監査体制の改善も、逮捕者が出たことで内部分裂し、提携先であるプライスウォーターハウスからの指示で別会社(あらた監査法人)の設立をされてしまうなど、状況は泥沼化していく。 最終的には、追い討ちをかける形で2006年に日興コーディアルグループの利益水増しが発覚し、これが組織的だったことから、見逃したみすず監査法人への批判が高まり、解散を決断する。この時も、当初の日興側の説明であった、「一社員が書類を偽造した」という説明でこの問題が解決すると思い込んでいたようだ。 自分たちの常識や、こうなるに違いないという思い込みに基づいて行動した結果が、全て裏目に出てしまい、想定しうる中での最悪の形で事態を収拾せざるを得なくなってしまう。思い込みの恐ろしさを感じさせられる内容だ。 一方、こんな時、それでもまだなんとかなると悪あがきをしがちだ。しかしみすずは、もし再生できたとしても企業の評判ががた落ちの状態では、規模や存在感の面で元通りになることは無いと現実的に分析した上で、下手に再生を目指すのでなく、法人を解散してクライアントと社員を他の大手監査法人に移管するという選択をした。これは見事な損切りだったと思う。
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