仏像 心とかたち NHKブックス20

望月信成(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会
• 発売年月日: 1965/04/01
• JAN: 9784140010204

商品レビュー

2024/06/30

河合さんがはじめて世に出した「ユング心理学入門」にこの本が紹介されていたので、読んでみた。
読んでみると、これは河合さんのネタ本ではないか、と思えるほど、河合さんの主張に似ているのだ。
「キリスト教」対「仏教」を「一神教」対「多神教」という構図で、日本民族の優越性を説く梅原さんの話は、日本人としては読んでいて心地よい。
しかし、河合さんは、もう一歩、実践的に、日本人はキリスト教を真剣に勉強しろ、と言っている。「普通の宗教はこうである」という教育をしなければ、宗教音痴の日本は破滅すると言っているのだ。
梅原さんの、この「仏像 心とかたち」では、ただ、日本人はすばらしい、また、キリスト教の論理では地球は破滅するとかの話で終わってしまっている。それはわかった、では次はどうする？が梅原さんにはない。河合さんは敵の心を知れ、それが対策だと言っているのだ。

2014/01/03

昭和40年（1965年）の初版以降、110版を越えて読み継がれてきた1冊。今夏に参加した奈良国立博物館の夏期講座で知って購読。50年たっても内容はちっとも古びていなくて、仏像を基本から分かりやすく勉強できました。

例えば、今まで如来像について、釈迦や薬師など名前は知っていても、それが何を意味しているのか腑に落ちていませんでしたが、この本によって、釈迦如来として仏像が誕生し、それが発展して現世利益の如来となったものが薬師、というようにそのルーツがよく理解できました。

ただ、著者の1人、若き日（40歳くらい）の梅原猛の文章が暑苦しいです。いちいち、主語が「われわれは」で、“勝手に仲間に入れないでほしいなぁ”と気になってしまいます。書いてある内容は共感できるのですが…。

2012/07/15

(1993.06.04読了)(1980.10.24購入)
商品の説明　amazon
仏像に現代的意味はあるのかという問いから始まり、仏像の誕生、現世利益の仏、彼岸への憧憬、絶対の探求、変化の仏、そして路傍の仏へと続く内容は仏像と心のかたちをより身近なものにしてくれる。