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パリ右眼左眼
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パリ右眼左眼

稲葉宏爾【著】

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パリ右眼左眼

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 阪急コミュニケーションズ
発売年月日 2007/10/02
JAN 9784484072241

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2014/03/12

タイトルに目を惹かれました。 フランス好きなら「パリ右岸左岸」にかけたものだと、ピンとくるでしょう。 パリの町を見回しているような写真集になっています。 パリには1200件ものパン屋があるとのこと。 さらに、工場で作ったパンをオーブンで焼いているだけの店は、ブーランジェリーと...

タイトルに目を惹かれました。 フランス好きなら「パリ右岸左岸」にかけたものだと、ピンとくるでしょう。 パリの町を見回しているような写真集になっています。 パリには1200件ものパン屋があるとのこと。 さらに、工場で作ったパンをオーブンで焼いているだけの店は、ブーランジェリーとは名乗れないという規則があるそうです。 ブーランジェリーの質が保たれています。日本でも、海外からのブーランジェリーは増えてきましたが、なにか規制はあるのでしょうか。 パリで一番狭い道は、19区にあるパサージュ・ド・ラ・デュエ。 なんと60cmしかないそうです。 人は横歩きしないと通れません。 19世紀末に、道路の幅は最低6m以上という法令が出たため、それ以外の細道は道ならぬ道扱いになっているとのこと。 今度この小道をカニ歩きで通ってみたいです。 あまりピンときませんが、パリには約80の日時計があるとのこと。 そのほとんどが、日本では余り見かけない、壁面についた垂直型のものだそうです。 さまざまな日時計の写真が掲載されていました。 パリ市街を散策しながら、これらを見つけて回るのも楽しそうです。 それほど日時計が多いのなら、パリ人は時間に正確かというと、決してそうではありません。 フランスで正確な時刻を護っているのは、鉄道と小中学校ぐらいと言われています。 演劇やコンサートも定刻に始まることはまずないし、テレビも予約録画はほぼ不可能だとのこと。 日本は、鉄道会社だけでなく、時間通りに番組が流れるTV局も優秀なんですね。 ではフランスは日本と比べて適当なのかというと、そうとも言い切れません。 フランスのじゃんけんは、「井戸」が加わって日本よりも多くなっています。 井戸は石とハサミに勝ち、紙に負けるのだとか。 複雑ですね。 また「だるまさんがころんだ」に似た遊びもあって、「アン、ドゥ、トロワ、ソレイユ」というそうです。 1870年、パリがドイツ軍に包囲された時には、犬、猫、ネズミ、動物園のクマや象まで食べたとのこと。 厳しい食料封鎖下にあったことを知りました。 四方を海で囲まれた日本は、幸運にもそこまで追い詰められたことはないようです。 1911年にルーブルからモナリザが盗まれた時、アポリネールは事件の主犯容疑で逮捕され、ピカソは取り調べを受けたそうです。 有名な芸術家二人が疑われて、当時は大変なスキャンダルとなったことでしょう。 実際の犯人は程なくして捕まりましたが、それがきっかけでアポリネールは恋人マリー・ローランサンとの破局を迎えたと、別のところで知りました。 とばっちりが不幸を呼んだわけです。 パリの古い建物によく見かけるガラスの雨除けひさしのことを「マルキーズ」というそうです。 たしかにマルキーズ(侯爵夫人)というイメージがある、優雅なひさし。 日本では見られません。 同じく芸術的な形をしているのが螺旋階段。フランス語では、エスカリエ・アン・コリマソンとかエスカルゴと言われているそうで、たしかに上から見た形から、かたつむりがイメージできると気がつきました。 また、古い大きな館には、柱状彫刻があるものも見かけます。 優美で涼しげな女性像は「カリアテッド」と呼ばれ、アテネのパルテノン神殿のカリアテッドが有名ですが、ほかに「アトラント」という男性版も紹介されていました。 私も実際に観たことがありますが、女性像よりも数が少ない印象です。 女性像は美しいのに、男性像の方は苦しげ。それは地球を背負うアトラスを形どっているからだそうです。 pen Booksの写真の美しさが、いつもとてもお気に入り。 この本も、ページをめくるたびにパリの雰囲気に浸ることができました。

Posted by ブクログ