対北朝鮮・中国機密ファイル 来るべき北朝鮮との衝突について

欧陽善【著】, 富坂聰【編】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2007/09/14
• JAN: 9784163694405

商品レビュー

2009/08/09

中国に北朝鮮の偽札が出回っている。偽タバコも。でも朝鮮難民は逃げないからメイドとしては適当である。
中国外交官には朝鮮と韓国の両方で学んで両方を理解している人も多々いるようだ。
北朝鮮は本当にどうなってしまうのか。

2007/11/15

面白い。匿名による共同執筆で、うち約7割は中国共産党中連部亜洲局という対北朝鮮外交の窓口に所属する官僚が書いたという本。中国にとっての北朝鮮に関する懸案事項が中国側の視点から書かれていて興味深い。機密情報というほどのものでもないし内部関係者じゃないと書けない内容でもないと思うが、突飛なことを言って受け狙いという本でもなく、一部中国の言い分はそうだろうが…といった話はあるが、全体的に真っ当なしっかりした内容。中国の対北外交のスタンスと提言、北朝鮮への愛憎入り混じった想いといった総論から、国境付近での犯罪や、その他ワイルドな小ネタまで網羅されている。長らく、金政権はすぐにでも崩壊するとかしないとか知朝派の人々の一部が占いレベルの話から難しい議論までして、多くの人が北朝鮮はすぐにでも崩壊するという話をしてじたばたしてきた一方で、中国政府は独自の情報と分析に基づき一貫して、外国から戦争を仕掛けられたりしない限り北朝鮮は現政権を維持していくことは可能だとの予測をしてそのような観点から中朝外交をしていたという点など興味深かった。中国首脳部が‘崩壊させない’という意思を持ってもいたにしろ、この本全体を通して中国は北朝鮮をよく分かっているんだなあと感心した。　著者らがシビアな目で見てそろそろ朝鮮離れをするのが国益にかなうと言う一方、中国人3千人を対象にした世論調査では北朝鮮について、（極めて寛容なことに）比較的好意的というのも意外だったし。北朝鮮は、韓国よりもむしろ濁りの無い客観的な目で自分たちを理解し、米国よりも遥かに付き合いが長く、通じる中国の顔に泥を塗ってこれ以上怒らせないよう、よろしく振る舞ってほしいもんだと思った。後継者に関しては、常識的な路線で正哲か正雲と見られているらしいが国防委員会か公安部にダークホースがいるかもしれないという話は気になる。正男はやはりレースから外れているというのが大方の予想で、でも正男は性格も太っ腹で「デブの兄貴」と呼ばれたり、中連部でも親しまれているというというのが可愛い話だった。
http://www.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk03100&num=1414