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ドリームタイム 文春文庫
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ドリームタイム 文春文庫

田口ランディ【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/
発売年月日 2007/09/10
JAN 9784167717391

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ドリームタイム

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商品レビュー

3.7

15件のお客様レビュー

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2021/10/07

不思議で切ない13の物語っていう解説通り。 別の大きな世界があるような気がしてきた。 とてもいい作品。

Posted by ブクログ

2019/02/10

・「生まれる前は、どんなところにいたの?」 「どこでもないところ。でも、ここなの。同じだけど違う。近くだけど遠いの。そこは通り道であっちでもこっちでもないの」 ・「おばあちゃんのガンは、どうしてお花になったの?」 「お花になりなさい、って言ったから」 「それだけ?」 「うん。だ...

・「生まれる前は、どんなところにいたの?」 「どこでもないところ。でも、ここなの。同じだけど違う。近くだけど遠いの。そこは通り道であっちでもこっちでもないの」 ・「おばあちゃんのガンは、どうしてお花になったの?」 「お花になりなさい、って言ったから」 「それだけ?」 「うん。だって、なんだって何にでもなれるんだよ。最初はみんな同じものだったんだ。だから、なんだって、なりなさいって教えてあげれば何にだってなれるの。あの子たちは、自分が何になるかわからなくなってしまったの。ときどき、そういうことがあるの。だから、花になりなさいって教えてあげた。元に戻るのは難しそうだったから」 ・「僕は長いこと、自分はとても取るに足らないつまらない人間だと思ってきました。僕には僕の感じ方で見ている世界があったけれど、それを他人に話すこともできないし教えることもできない。ましてや共有することなんてことはもちろんできない。だから、僕はいつも他人に合わせているしかなかったし、他人に長いこと合わせていると自分がゾンビみたいになって、なんだか本当に魂が抜かれたような状態になっちゃうんです。ところが、あるとき偶然に、一枚の写真と出会いました。それは特別な写真で、ピンホールカメラというとても原始的なカメラで撮った写真だったんです。僕はその写真に魅了されました。なぜなら、その写真の世界は僕が感じている世界ととても似ていたからです。自分がなんとなく感じている世界が、目の前にあった。すごくうれしかったんです」 ・「写真というのは、とても不思議なものです。写真は人間の手によって描かれた画像ではなくて、モノが発する光によって、モノが自分自身を映したものです。撮っているのは人間だけれど、でも、どう撮られるかは、モノが決めているんです」 「モノが?」 「そうです」 「どうやって?」 「自分の意志で」 ・シャクだけれど、彼の言う通りかもしれない。問題は常に私にある。私は何を表現し、何を世界に伝えたいのか。それを見失っていたのかもしれない。表現は私の裡なる光であるのに。 ・「これ以上、わかりやすくどう説明したらいい。この世界は大きな二つの渦巻きによって成り立っている。右回りと左回り、広がるものと集まるもの、それらがバランスをとりながら約束のもとに永遠に踊っている。すべては偶然であるし、すべては決まっている。その自然の力を、蘇生の池の水は人間に蘇らせる」 ・「思い出せば・・・、の話だ。思い出した者だけが変えられる。この世界には過去も未来もない。すべてが重なって存在する。ただ絶妙の、バランスがあるだけ。それが神だ。未来を変えるためには傲慢を捨て、そのバランスを知ればいい」 ・「着物はね、呪術なんです」 「え?呪術ですか?」 「そうです。最高のシールドです。着物というのは、人間を梱包するように紐で結ぶでしょう。あの結ぶという行為がすでに呪術なのです」 「ほうほう」 ・「私ね、実は、田口さんが私のことをどう書いてくれるか、それを読んでみたかったの」 「へ?」 「書いてくれって言ってるんじゃないんですよ。田口さんのエッセイに出てくるお友達って、田口さんの視線で編集されてて、それがとてもいいなあ、うらやましいなあと思っていたんです。だから、私も田口さんの視線のなかに入ってみたかったんだと思う。そして、私がどんなふうに見えるのか、田口さんの世界の登場人物になってみたかったんだと思う」

Posted by ブクログ

2017/09/20

死の世界と生の世界の境界、夢と現実の境界線を滲ませるような、不思議な13の物語。 複雑な気持ちになる。

Posted by ブクログ

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