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田村泰次郎選集(4) 裸女のいる隊列 蝗/失われた男ほか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本図書センター |
発売年月日 | 2005/04/01 |
JAN | 9784820598923 |
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田村泰次郎選集(4)
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商品レビュー
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
NHKラジオアーカイブスで田村泰次郎 「自作朗読『肉体の門』、文学と私」を聞いて、解説の大村彦次郎氏が「蝗」をとても評価していたので、読んで見たくて図書館で借りた。短篇集の本で、15作品が掲載されている。 その中から「蝗」「裸女のいる隊列」「肌の孤独」「失われた男」を読んだ。 「蝗」、棺桶と慰安婦を運ぶ日本軍の主人公と異常なまでの兵隊の欲望、爆弾で大怪我を負った慰安婦とそれを助けたい隊長、そしていつまでもつきまとう蝗の大群。 「裸女のいる隊列」、厳寒な隊列に裸女を歩かせながら行軍を続ける兵隊とそれを引き留めようと叫ぶ老婆を一瞬にして殴り殺す隊長。 「肌の孤独」、外から見たら平穏な夫婦で夫も固い仕事であるが、妻が数々の御用聞きの男性と寝て、ある男性から危うく殺されそうになるが、無事助けられる。警察には秘密にしてもらい、何事もなかったように夫と暮らす。 「失われた男」、軍隊で獰猛で力強く、強姦も平気でやってしまう男と同郷で同期の桜となる主人公。終戦後、二人の世界は大きく変わる。男は郷里で手の付けれない男となる。男はある日主人公の家を訪ねシェパードを譲り受ける。何年か後に、主人公がその男を郷里に訪ねるが、主人公に獰猛な犬達が襲い掛かる。命からがら危うく逃れ、男の家にたどり着くが、そこで見た男の姿とは。その男と主人公の二人だけが持つ異常な戦時下の経験。その描写は臨場感溢れオドロオドロしい。終戦後生きてきた二人をつなぎ止めていたものは何であったのだろうか。 軍隊生活経験のある作家が精神論ではなく肉体をテーマにして、戦時下の描写は緊張感がありリアルで凄い。とても印象に残った。代表作の肉体の門も今度読んで見ようと思う。
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