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相姦蟻地獄 フランス書院文庫
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相姦蟻地獄 フランス書院文庫

里見翔【著】

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相姦蟻地獄 フランス書院文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院/
発売年月日 2007/09/10
JAN 9784829615218

相姦蟻地獄

¥385

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2017/01/24

禁忌を憂うも抗えぬ愛情と肉欲に溺れた相姦の輪廻

2007年8月に本作1冊のみ上梓された「里見翔」名義の作品。2組の母子が絡みつつ後半から別の1組が出てくる構成や、息子同士や母同士が示し合わせる辺りには牧村僚御大の影響を感じるところだが、母子交姦はなく、出オチかと思わせる主人公の心情が報われる結末でもなかった。何より39歳の実母...

2007年8月に本作1冊のみ上梓された「里見翔」名義の作品。2組の母子が絡みつつ後半から別の1組が出てくる構成や、息子同士や母同士が示し合わせる辺りには牧村僚御大の影響を感じるところだが、母子交姦はなく、出オチかと思わせる主人公の心情が報われる結末でもなかった。何より39歳の実母【美貴】と男女の仲になりたいと願うのではなく、既に相姦の間柄になっている実母が大好きなのだけれども許されぬ関係につき本来は距離を置くべきと内心では憂いている状況で物語が始まっている。つまりは母の代役を探した果てに辿り着いた境地を描く作品だったと言えよう。 その代役として最初に関係を結ぶのは友人の母【桜子】である。母同士も友人であり、年齢も同じで幼い頃から世話になっていた気安い間柄ではあるが、未亡人の空閨を危惧した息子(友人)から相手になってほしいとの相談があったりする。その際の事前情報によって苦もなく男女の仲にはなるものの、美貴への想いが払拭されるには至らない。それでも美貴とはタイプの異なる桜子の奔放な振る舞いに流されて関係がズルズルと続いており、それは都合の良い女のようでもあり、いつでも抱けると考えている主人公は実際にいつでもヤリ捲っている。 次に関係を結ぶのは同じマンションに暮らす新婚さんと思しき27歳の若妻(?)【奈央】である。こちらとの関係を経てもなお美貴への想いは断ち切れないのだが、現状を変えたいとの願いと、主人公も知らなかった秘密を抱える奈央の思惑が合致して逃避行を約束するに至る。しかし、これに待ったをかけたのが奈央の夫……ではなく弟である。何故夫ではないのか?そもそも夫は?といったところは物語の肝になるのだが、要するに奈央もまた主人公と同様だったと、そしてそれは抜け出せない蟻地獄のごとき運命だったのだと主人公に去来する結末である。 本来あるべき健全な関係を望みながらも内心では嫉妬の焔が燻り続けていた美貴もまた同じ感慨に至っており、堂々巡りの果てに一回りした関係は踏ん切りと割り切りのついた、さらに淫らな2人だけの世界である。 官能場面は数多いものの描写自体はやや淡白な印象で、それぞれのヒロインに対して最高!と繰り返す八方美人な外面の良さや流されがちな優柔不断などは2000年代の作品によく見られた主人公像と言えよう。 恋愛というものがよく分からぬうちに相姦の味を覚えた主人公が人並みに恋路を進もうとしたが上手くいかず、結局は溺愛してくれる母の元へ戻って来た。これを以って現状を変えようにも退路を断つ覚悟や背水の陣のごとき心意気には欠けた、あるいはモラトリアムのごとき所在のなさを見て取るのは深読みだろうか。

DSK

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