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脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史
定価 ¥2,068
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 技術評論社 |
発売年月日 | 2007/09/01 |
JAN | 9784774131665 |
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脳の中の「私」はなぜ見つからないのか?
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
著者は、ロボット研究者。おそらく人工知能に深く傾倒している方だと思われる。本書では、このような研究者が、「釈迦」、「老荘」、「キリスト教とイスラム教」、「中世日本の哲学」、「デカルト」、「スピノザ」、「ヒューム」、「ニヒリズム」等の古今東西の哲学についての見解を述べる。論点は、「...
著者は、ロボット研究者。おそらく人工知能に深く傾倒している方だと思われる。本書では、このような研究者が、「釈迦」、「老荘」、「キリスト教とイスラム教」、「中世日本の哲学」、「デカルト」、「スピノザ」、「ヒューム」、「ニヒリズム」等の古今東西の哲学についての見解を述べる。論点は、「脳という実在以外のところに、意識は実存するのか?」。この議論は、「物理的一元論」対「二元論」に終着し、結局は、「お互いが、自分の枠組みの中では相手の矛盾を証明できない」ことを証明して終わることになる。理系の言葉で言えば、「ユークリッド幾何学とリーマン幾何学が論理的に並立する」ことと同じだ。従って、「意識は実存するか」なんてどうでも良いことになる。まさに心身一如。と、ここまでは批判的に書いてしまったが、内容自体は難解であるものの、面白いし、本書最後の著者と哲学者との対談はアカデミックな香りに包まれて、久しぶりに大学時代(純粋数学をやってました)を思い出せて、とても良かった。
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前著である『脳はなぜ「心」を作ったのか-「私」の謎を解く受動意識仮説』で主張している『「私の意識」とは小人たち(ニューロンのこと)が自立分散的に行った結果を自分が主体的に行ったと錯覚してエピソート記憶(ある期間と場所での出来事についての記憶)をしているに過ぎない』との説を歴史に求...
前著である『脳はなぜ「心」を作ったのか-「私」の謎を解く受動意識仮説』で主張している『「私の意識」とは小人たち(ニューロンのこと)が自立分散的に行った結果を自分が主体的に行ったと錯覚してエピソート記憶(ある期間と場所での出来事についての記憶)をしているに過ぎない』との説を歴史に求め、宗教から東洋思想、西洋哲学そして現代心理学などでの脳と心についての考察を行う好著です。前作ほどの衝撃は無いにせよ、脳と心をを別の方面から考えることでまたひとつ勉強になりました。
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科学と哲学の接点となる珍しい本である。また、これからのイノベーションのヒントたりえる。 技術評論社という出版社の本でまさか「東洋思想と宗教」「西洋哲学」「現代心理学・科学・哲学」という章立ての本を読むことになるとは思っていなかった。 そもそも科学と思想•哲学は相性が良くないと勝手...
科学と哲学の接点となる珍しい本である。また、これからのイノベーションのヒントたりえる。 技術評論社という出版社の本でまさか「東洋思想と宗教」「西洋哲学」「現代心理学・科学・哲学」という章立ての本を読むことになるとは思っていなかった。 そもそも科学と思想•哲学は相性が良くないと勝手に思っていた。しかし、科学的に証明が難しいことでも、経験的にうまくいくことはたくさんある。そもそも科学とは、かなり限られた条件の下でしか成り立たない事実でしかない。例えば今ならコンピュータが安価になったためシミュレーションという手法でその正しさを証明できるようになって進んだ科学も多い。 ところが世の中にはそうでないことも多い。ヒトの意識、行動の予測、好みを把握してレコメンドすることなど。まぁ、レコメンデーションは、協調フィルタリングなどの手法でかなり低コスト、高い満足度で予測するようにはなってきているかもしれないが。しかし、ヒトの脳のニューロ•ネットワークをシミュレーションすることはあまりにも途方もなく、それが更に様々なヒトがいる集団ともなるとまずは無理だろう。 だからといって科学を諦めるのではなく、先人の知見を利用するというのがこの本の趣旨だと思う。つまり、悟りを得た人、神からの啓示を受けた人、思索により思想に至った人などだ。ベスト•プラクティスを使うというのは発想の転換だ。 オーディオ•オカルトと言われる話がある。例えばデジタル•オーディオでLANケーブルを変えると音質が変わるというやつである。私の解釈では他の機器への影響を最小にすることが主たる目的であり、良い材質を使うことは効果が無いとは言えないが、その目的達成においてはあまり意味がないが宣伝文句として使っていると理解する。 宗教、思想を怪しく感じるのは、その分野に対する言葉を正確に理解していないことも大きいが、そもそも論じている目的が大きく異なっていることが原因のようだ。これではオーディオ•オカルトと何ら変わりはない。 今までは並べて論じることが少なかったことを組み合わせていくことで更なるイノベーションが期待出来るのではないか。そんな事を考えさせられる本である。
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