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女王陛下の影法師
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2007/07/25 |
JAN | 9784480861184 |
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商品レビュー
2.5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルを見ると007を連想しそうなネーミングですが、極真面目な政治史ともいうべき本です。19世紀のジョージ3世(ビクトリアの祖父)時代からビクトリア女王時代から現代のチャールズ皇太子まで、国王・女王たちの秘書官を勤めた人たちと王の人間関係そしてそれが政治・外交に与えた影響を論じている非常に読み応えのある本でした。王家のサイドから見た近現代英国史ともいうべきものです。若年で戴冠したビクトリア女王が大帝国を築いていくまで。女王のリーダーシップ以上に側近の重要性を感じさせました。そして時の首相との緊張関係。ビクトリア時代にはグラドストーン、ジョージ5世時代にはロイド・ジョージ、ジョージ6世時代にはチャーチルなどと決して仲がよくなかった。その中での立憲君主制が巧く機能していたということは日本の政治を考える上でも興味深いです。しかし、日本では英国以上に王家(天皇家)の存在感は希薄ですね。エリザベス2世の伯父である「王冠を賭けた恋」の主人公エドワード8世(後のウィンザー公)の皇太子時代の問題から、退位後の末年までの詳細が興味深い記録でした。エドワード8世が侍従に恵まれなかったということも悲劇の原因だった!それに比べてチャールズ皇太子が(ダイアナ妃ではなく!)社会福祉に力を注いでいたことを英国民が徐々に理解しだしているという記述は随分現皇太子に対して好意的に思いました。それにしてもアンソン、パーマスト、グレイ、スタムファーダム、トマス、ハーディング、ラッスルス・・・という秘書官の系譜は世界史では全く登場しない裏の歴史でした。一方、ホィッグ・トーリーの並立から自由・保守そして労働党という2大政党時代への変遷が自然に描かれている点も巧みな構成でした。
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よき秘書官は宝です。秘書官に見放された国王(エドワード8世)と彼を見放した秘書官双方の不幸な時代の話を読んでいると、日本の皇室はどうなっているのだろうと心配になります。
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