全記録 炭鉱

鎌田慧【著】

• 販売会社／発売会社: 創森社/創森社
• 発売年月日: 2007/07/17
• JAN: 9784883402090

商品レビュー

2013/11/25

現在から振り返ると、閉山直前直後の炭鉱街（特に夕張市）の風景が蘇りとても興味深いです。
発行は2007年ですが、著者の鎌田慧さんが1982年～2002年までの間に炭鉱街を訪れたルポをまとめたものです。
この中でも、特に夕張市にページが割かれており、北炭新鉱事故のあたりから何度も足を運んで、その時々のルポが収められています。
そのおかげで炭鉱がまだ現役だったときの夕張市民の生活や、町の様子が書かれていて、 現在の様子と対比してみるとすごくおもしろいです。
またルポ執筆当時（1980年代）に、すでに炭鉱から観光への舵取りを危惧しています。
でも、これは予言ではありません。
当時から、炭鉱と一蓮托生の夕張の市政･財政に無理があった（無理せざるを得なかった）のが、すでに周知の事実だったのだと思います（私は当時のことを知らないけれど）。
なお、タイトルに「全記録」とありますが、これは著者の鎌田さんが執筆した炭鉱関連の記事が全部という意味です。

2011/11/09

きつい労働と安全管理の軽視。続発する事故と大量の犠牲者。閉山に伴う失業と再就職の問題。炭鉱で栄えた町の衰退。日本の経済成長を文字通り地下で支えた労働者とその家族たちの悲劇の歴史は、忘れてはいけない。