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日本に国家戦略はあるのか 朝日新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞社/朝日新聞社 |
発売年月日 | 2007/07/30 |
JAN | 9784022731555 |
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日本に国家戦略はあるのか
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
。興味深い本です。現役の新聞記者らしく読みやすい文章です。著者は、外交、安全保障問題を専門とする朝日新聞のベテラン新聞記者です。記事のテーマは、日本の国家戦略に関するものです。冷戦期の日本の外交戦略は、選択の余地のないものでした。しかし、デタントの時期には、外交戦略には選択の余地...
。興味深い本です。現役の新聞記者らしく読みやすい文章です。著者は、外交、安全保障問題を専門とする朝日新聞のベテラン新聞記者です。記事のテーマは、日本の国家戦略に関するものです。冷戦期の日本の外交戦略は、選択の余地のないものでした。しかし、デタントの時期には、外交戦略には選択の余地が生まれました。政治家、外交官等は、対米一辺倒ではない新たな国家戦略を模索した時期があります。ただし、レーガン軍拡時代に入ると、それらの議論は立ち消えになりました。冷戦後も、細川内閣、小泉内閣において、同様の議論がおこりましたが、すぐに立ち消えになりました。あとがきに記された匿名の政治家のコメントが興味深いです。本田氏の前著を「銀座の裏通りのバーをつれまわされす」と評したそうです。これは、この本にも当てはまります。この本には、豊富な取材経験に裏打ちされた事実、専門知識がふんだんにちりばめられています。ただし、紹介される事象は、本筋ではなく、裏筋です。本筋に絞った形で議論されているわけではありません。そのため、「つれまわす」という表現されることになります。本来、外務省の基本戦略を設定する総合政策局が、基本戦略を設定する業務を放棄していると指摘している。この原因として、各局各課のセクショナリズムを指摘しています。セクショナリズムは、万国共通です。その弊害を取り除くために、総合政策局設置されたはずです。もう少し深い分析が必要だったと思います。著者の本を読んでみようかなと思っていたのですが、躊躇してしまいます。著者は、ライターではなく、ハンターなのかもしれません。
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[ 内容 ] 日本は安全保障だけでなく、「国家戦略」も米国に依存している。 たとえば、国家戦略を、「国際情勢の大きな流れのなかで、自らの理念と国力に沿った国家目標を定めて、それを実現していく方法」と定義してみよう。 そんな定義から出発して、豊富な取材量を誇る外交安全保障専門記者が、戦後日本政治の「思考停止」に切り込んでいく。 [ 目次 ] 第1章 現代と戦略(戦略とは何か リアクション外交 ほか) 第2章 外交と戦略(「吉田路線」 ニクソン・ショック ほか) 第3章 国家と戦略(統合プロセスの不在 各省割拠主義体制 ほか) 第4章 自衛隊と戦略(国家戦略と軍事戦略 帝国国防方針 ほか) 第5章 21世紀の日本と戦略(私たちはどこにいる? 戦後日本の実像 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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朝日新聞編集委員(外交・安保)である著者が、「一本の新聞記事」を書くように取材をし試行錯誤を重ねながら、書き上げた著作。 このレビューを見る人の中に、『朝日新聞』の記者が国家戦略や国防を語ることに少なからず抵抗を覚え、嫌悪感を抱く人もあるかもしれない。 しかし、本書は...
朝日新聞編集委員(外交・安保)である著者が、「一本の新聞記事」を書くように取材をし試行錯誤を重ねながら、書き上げた著作。 このレビューを見る人の中に、『朝日新聞』の記者が国家戦略や国防を語ることに少なからず抵抗を覚え、嫌悪感を抱く人もあるかもしれない。 しかし、本書は『朝日』特有の左派イデオロギーに染まった軍事観が全面に押し出されることもないし、憲法九条が連呼されることもない(ちなみに憲法九条に関する記述はほぼ無い)。 結論から言ってしまえば、本書は現在の日本に「国家戦略が無い」という結論を下している。もっともなことである。戦前の軍部と政府の政策乖離、戦後の国防会議や安全保障会議の形骸化等々、20世紀以降の日本には国家の総合戦略を大局的に立案する組織が存在しなかったということである。 戦前はともかく、戦後においてすらこういう状況が続いてきたのは、米ソ冷戦下において、日本の安全保障上の立ち位置があまりに明快であったからだと言えるだろう。そのため日米同盟という強力な安全保障システムにどっぷりつかり、思考停止に陥っていたのである。 冷戦終結から約20年を経過した現在においても、冷戦下の思考停止状態が継続しているかのように思える。 末尾には、今後の方針として、添谷芳秀氏が『日本のミドルパワー外交』(ちくま新書、2005年)で論じていたような「ミドルパワー」の非核国家として、ソフトパワーをも併せ持った具体的な国家戦略を立てるべきであると締めくくっている部分などは大いに共感できる部分であった。
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