1,800円以上の注文で送料無料

倭国
  • 中古
  • 書籍
  • 新書

倭国

岡田英弘(著者)

追加する に追加する

倭国

定価 ¥748

220 定価より528円(70%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/中央公論新社
発売年月日 1977/10/22
JAN 9784121004826

倭国

¥220

商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/06/03

和食を食べに料亭にいったのに、"シェフ"の本日のお薦めだからと「本場韓国の参鶏湯つき特製中華Aコース」を出されたような気分にさせられる本。 あるいは、本日の日替わり和食Bランチですと言って出された料理をみたら、つやつやコシヒカリが塩辛いビビンバの具で埋もれ、お...

和食を食べに料亭にいったのに、"シェフ"の本日のお薦めだからと「本場韓国の参鶏湯つき特製中華Aコース」を出されたような気分にさせられる本。 あるいは、本日の日替わり和食Bランチですと言って出された料理をみたら、つやつやコシヒカリが塩辛いビビンバの具で埋もれ、お香々かと思ったらこれまた塩っぱいザーサイで、旬の野菜の煮物は鷹の爪で真っ赤に煮込まれ、お吸い物の蓋を開けたらサンラータンだった、というような気分にさせられる本。 (我ながら秀逸な比喩だと思う) とにかく、頁を捲っても捲っても倭国が出なくて、三国志と朝鮮半島史が延々続く。そして後半入ってしばらくしてやっと日本人が出て来たかと思ったらすでに誰でも知っている天皇の名前が並ぶ。たとえるなら、唯一の日本料理だと思えたものがカレーライスで和食とは言い難い、というような気分。料理自体は不味くはないが、和食の口で店に入って中華と韓国料理を食わされるのだから、心のモヤモヤが半端ない。 それとp.10に、「江」と「竜」が古くは同じ発音だったみたいなことが書いてあるが、上古音をネットで調べた限りでは全く似てすらいない。上古音までいかなくても、普通話でjiangとlong、到底同じ発音の派生系とは考えられない。 ----- 『古事記』は『日本書紀』をもとに創作されたというのは有名な話。『日本書紀』では日本が初めから統一国家だったという筋書きだが、そんなこと信じる人はまづいない。東日本はいまのアイヌの人たちの祖先が居住する地で、その分布範囲は越国から福島の線くらいまでに及んだと何かで読んだことがある。九州は隼人と呼ばれた人たちが生活していた。 中国の文献などをみていくと、初めは河内のあたりに存在した局地的な氏族国家にすぎず、『日本書紀』が編纂された継体天皇の時代においても、継体天皇の出身地である敦賀 (福井県) ですら大和系以外の部族氏族がゴロゴロいたらしい。なんなら大和といわれる氏族ももとは大和にはいなかったとか。 中国の国内の混乱などで前線の位置は前後したものの、漢の時代頃から朝鮮半島が中国の一部となりはじめ、中国内地から朝鮮半島に移り住んだ人が現地人化し、その人たちがやがて海を渡って日本にやってきた。中国人はやはりいつの時代も中国人で、商魂たくましいというか、都市的というか。日本列島に来ると、中国からの物資を朝鮮経由で日本に流し、日本からは資源や特産を中国に流す、それによって儲けを出していたらしい。中国が安泰なら、朝鮮が安泰なら、即ち日本の発展も安泰。そんな中で起きたのが白村江の戦いであり、それに負けた日本は中国・朝鮮からの支援を得られなくなったことで、発展への道が閉ざされてしまった。 このままでは国家は滅亡へ向かってしまう。そこで焦った大和人は、日本を諸部族や諸民族の集合体ではなく、国家として再構築し、国際情勢に対応できるようにした。そこで腕をふるったのはやはり朝鮮経由で入ってきた華僑であり、その華僑のもとで「日本語」も再構築されたという。文法は韓国語などと同じながら語彙は全く似ていない日本語、それを創り出したのは日本にのこった華僑で、華僑は中国語の語彙を現地の言葉に当てはめていったために、語彙的には韓国語とは完全に離別してしまった。現存する和歌の中で詠人を特定できる最古のものを漁ってみると、その大半は帰化人、つまり渡来人らしく、それがまさに日本語の「生みの親」が誰であるかを語っているのだとか。 この日本語誕生秘話については確かに刺激的でおもしろかったが、信じたい信じたくないは置いておいて、断定するにはまだ早いかなとも思う。 というわけで、最後の数ページと最初の数ページ以外は、完全に期待した和食ではなかったが、結局のところ、和食も実は華僑が作ったっていうオチなのか。お後がよろしいようで。

Posted by ブクログ

2018/11/24

中国が統一されたり、分裂したり、その中で南の海洋的な世界や、北の騎馬民族世界が、中国に入りこんだり、朝鮮半島にはみ出したり、引っ込んだりして、作っては混ざり、圧力がかかったと思ったら引いたり、そんななかで、唐の力が朝鮮半島の高句麗や百済を併合して、白村江で極東に孤立した倭国や、新...

中国が統一されたり、分裂したり、その中で南の海洋的な世界や、北の騎馬民族世界が、中国に入りこんだり、朝鮮半島にはみ出したり、引っ込んだりして、作っては混ざり、圧力がかかったと思ったら引いたり、そんななかで、唐の力が朝鮮半島の高句麗や百済を併合して、白村江で極東に孤立した倭国や、新羅に満ちた危機感が、諸王の連合ではなくて、統一国家を必要とし、日本が出来た、天智、天武、持統の間に、日本という名前が作られ、戸籍が作られ、律令が準備され、漢語から離れた日本語が造られ、アマテラスが造られ、最初の歴史書が編纂された。 こういう日本の形成を、日本書紀に惑わされず、中国の史書を、時代背景にてらして分析して、像として浮かび上がらせる、とても納得のいく本 新書だから、200ページ程度で、色々と飛ばして早い

Posted by ブクログ

2017/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1977年刊。著者は東京外国語大学教授。東洋史専攻。  かなり古い本であるが、弥生後期から7世紀頃までの日本の国家形成に関して、東アジア情勢を加味しつつ解説した新書である。  こういう書があるから、現在同種の書を読んだとしても、本書の焼き直し・リメイクに近いものと感じてしまう。それほど個人的には影響を受けた一書である。  継体越前王朝や河内王朝などといった天皇家の断絶・分裂についても、蒙を啓かれたところ。まあ天皇家の断絶に関しては異論もあるようだが、東洋史全体と絡めた日本国家形成史を検討するのに読破する価値は高い。  もっとも考古学的知見は甘い。専攻や時代からしてやむをえないが、技術伝来面・文化面は割り引く必要がある。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品