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日本の刑務所 岩波新書
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日本の刑務所 岩波新書

菊田幸一(著者)

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日本の刑務所 岩波新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2002/07/23
JAN 9784004307945

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商品レビュー

3.6

9件のお客様レビュー

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2021/09/05

ほとんどの人が、ドラマや小説の中くらいでしか知ることができない刑務所の中。筆者は関係者への丹念な取材から日本の刑務所内の実態を調査し、「囚人とは言え」その人権が蹂躙されていたり、不可解な規律があるなどを糾弾している。 2002年に書かれた本だが、本書で書かれていることが実態なら...

ほとんどの人が、ドラマや小説の中くらいでしか知ることができない刑務所の中。筆者は関係者への丹念な取材から日本の刑務所内の実態を調査し、「囚人とは言え」その人権が蹂躙されていたり、不可解な規律があるなどを糾弾している。 2002年に書かれた本だが、本書で書かれていることが実態なら「これは戦前戦後頃の話なのか」と驚くことが多かった。入浴の手順が細かく決められている、その入浴も毎日ではない、労務中に汗を拭ってはいけない、よそ見(チラッと横を見る程度)もダメでいずれも懲罰の対象になる、などなど。冷暖房がほぼ設置されていないというのも驚きだ。 筆者も「罪を犯した者への懲罰」ということ自体を批判しているのではないことは繰り返し延べている。しかし刑務所の本来の目的である矯正、社会復帰を目指すという理念からは程遠い閉鎖的で人権を無視した実態を批判している。筆者か死刑廃止論者であることも大きな要素に思えた。 本書を読んでいて、ふと「ブラック校則」を思い起こした。かつて程ではなくても、日本の学校の校則は刑務所のような「人権と価値観を無視した」ことがまかり通っている実態が今もあるということを。目的と手段を履き違えた管理者がまだまだ大勢存在しているのでは、と。

Posted by ブクログ

2017/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2002年刊。著者は明治大学教授。  例えば、刑罰たる罰金刑を科されても、他の法の保護や適用、規制を免れるわけではない。もし科刑を理由に他の法規範の適用・保護がないとなれば、同人の猥褻行為を処罰できないことになるし、あるいは同人への恐喝を適法とせざるを得ない。民法や消費者契約法といった法規範の適用がないとすれば、物を買うことすら違法と化してできないことになってしまう。もちろんかかる事態は許容出来ない。  すなわち、刑罰を科されただけでは他の法の適用は免れないのは当然の理なのだ。  そうであれば、別種刑罰のたる懲役・禁錮の科刑が、他の法規範の規制や保護を否定することにはならないのである。  ところで、本書は、大多数の懲役刑案件が覚醒剤他の薬物犯と窃盗で、問題の実が累犯等頻回受刑者・高齢化現象と指摘する。いうなれば、現在、再犯防止という刑罰目的の不奏効が浮き彫りになってきているのだ。  もちろん、再犯防止には、受刑者に対する規範意識醸成が必要なのは確かだが、それと同程度に、それよりも肝になるのが、社会復帰の援助・助長。後者のこの重要性を本書は示していると言えそうだ。  そういう意味で、いわゆる社会保障制度の利用が受刑により切断されるという問題が大きくクローズアップされざるを得ないのは間違いない。  すなわち、社会保障制度関連法の適用の否定が、法的に矛盾を来たしているだけではなく、その事実上の不適用が、刑事罰制度の目的を阻害している事実に気付かされる。  さらに本書で浮かび上がる問題点は、海外との比較で見た不具合や国連人権規約違反。あるいは告知・聴聞・弁明の機会がなく、ブラックボックス化している懲罰制度だ。  後者に関しては、受刑如何が対審構造の中で決定されても、その内実をブラックボックスの中で行刑側が変更できるなら、対審の実は絵空事と化そう。  こういう気づきも生まれてくる一書である。

Posted by ブクログ

2012/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の刑務所における入所者は、繰り返し入所,高齢化,覚せい剤/暴力団関係が多いというのが特徴とのこと。 日本の刑務所における懲役の賃金の低さを知った。 より詳細な各国の比較が必要であることが分かった。

Posted by ブクログ

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