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特命全権大使 米欧回覧実記(一) 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
| 発売年月日 | 1996/04/01 |
| JAN | 9784003314111 |

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商品レビュー
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7件のお客様レビュー
この本は、当時(明治12年12月初版)の知識人にはかなり行き渡ったのではないだろうか(明治16年の第四刷までの累計で3,500部と云われる)。つまりは、この本にある見聞が、後の明治国家の方向性を決定付ける役割(の一部)を果たしたと云えるのではないだろうか? というのも、この本...
この本は、当時(明治12年12月初版)の知識人にはかなり行き渡ったのではないだろうか(明治16年の第四刷までの累計で3,500部と云われる)。つまりは、この本にある見聞が、後の明治国家の方向性を決定付ける役割(の一部)を果たしたと云えるのではないだろうか? というのも、この本の第五部の第九十八巻「榜葛刺(ベンガラ)海航程ノ記」から第百巻「香港及ヒ上海ノ記」にあるのは、当時の欧米列強による「弱肉強食」とでもいうべき侵略の有り様だったからだ。当然、当時の日本の指導層は、「次は日本だ」と思ったに違いない。それを現実に思い知らされたのが、後の「三国干渉」だったのではないかと思い至る。 --- 弱ノ肉ハ、強ノ食、欧州人遠航ノ業起リシヨリ、熱帯ノ弱国、ミナ其争ヒ喰フ所トナリテ、其豊饒ノ物産ヲ、本州ニ輸入ス、其始メ西班牙(スペイン)、葡萄牙(ポルトガル)、及ヒ荷蘭(オランダ)の三国、先ツ其利ヲ専ラニセシニ、土人ヲ遇スル暴慢惨酷ニシテ(以下略) 「米欧回覧実記(五)」p.307 --- 本文は昔の「カナ混じり文語調」で書かれており、慣れないと読みづらいかもしれない。しかし、彼らの感じた危機感は、文語体という敷居を越えてなお、察するに余りある。 当時の戦争(日清、日露の両戦役)を「侵略戦争」と断ずるのは容易い。しかし、その根底に斯様な危機感があったことを知らずして、安易に「侵略戦争」と断言することに、私は躊躇いを感じる。そう断言することを「事後の正義だ」などと揚言するつもりは無いが、知っておくべき自国の歴史の一面であり、是非一読しておくべきと強く感じた。 かなり高価だが現代語訳版も販売されているという。単なるエンサイクロペディアとしての価値のみならず、明治国家を取り巻く世界情勢を読み解く貴重な記録としても、高い価値を持つ一次資料である。
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明治4年の廃藩置県断行直後の国が混沌としていた時に、1年10ヶ月(当初は10ヶ月の予定を延期)の長きにわたり条約改正交渉を目的として岩倉具視、大久保利通、木戸孝允や伊藤博文等政府首脳が米欧を外遊(文字通り外遊のみ)します。本書は詳細な随行記録で、ドレスコードから米国の銃器の保管数約120万挺まで、政治文化を貪欲に吸収しようとする意欲が伝わります。漢字カナ交じりで読みにくいですが、時折の挿絵と共に楽しめます。 しかし詳細な解説によると、当初の使節団の構想は三条実美に支持された大隈重信が立案していましたが、政敵の条約改正交渉の成功を望まない岩倉、大久保による策謀により主体が入れ替わったとのこと。この使節団が急造であったと思えるのは、米国での条約改正交渉の一回目で条約改正調印に必要な委任状を携えておらず、米国の感触が良いと思って大久保と伊藤が慌てて日本に委任状を整えるため帰国、数ヶ月を無駄にしますが、結局条約改正交渉そのものを断念します。目的を失ったあとも外遊を続けたことは、その間の留守政府の成功から明治六年の政変の遠因だったように思います。そして不思議に思えるのは、使節団約50名には大久保の他薩摩からは薩長土肥のバランスは崩して、村田新八の一人のみ参加したこと。 またこの記録は公式記録ではありません。当時の外交記録は使節団帰国の直前、明治6年5月に皇居の失火で太政官が消失し、一旦失われ再編集されたとのです。
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一般流布を主目的とし、公益的な面を色濃く反映した岩倉遣欧使節の報告書。本巻は米国編。微に入り細に亘り叙述。テーマも農・工・鉱・鉄道・橋梁等の技術・都市計画・美術等の文芸・教育・米国史等幅広。黒人奴隷は兎も角、モルモン教弾圧まで記した点は驚き。が、読みにくい。報告書的な数字の羅列、擬古文的片仮名交り文・現代に無い独特の熟語、玻瓈(ガラス)等の現代では凡そ見かけない漢字に加え、米国固有名詞の当て字に困惑。華盛頓・新約克・聖路易・加利福尼・尼哇達・費拉特費(地名)/密士失比・落機/希臘/林根・苟白得博士(人)。 とまぁ、全然読めない(振り仮名付も多いが、つっかえてしまう)。しかも、米国の地勢と地理に精通していた方が読みやすいのは間違いない(当て字は判らずとも)。とはいえ、ここまで詳細に書けば記録としては間違いなく一級品。1977年刊行(底本1880年)。
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