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洞窟絵画から連載漫画へ 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2004/03/18 |
JAN | 9784003343012 |
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洞窟絵画から連載漫画へ
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
読者好きが拗れてくると、誰しも自分なりの体型、通史のようなものを作りたくなってくる。 書棚に並ぶ背表紙が大凡、そのラフスケッチになってくる。しかし、それが充分な量になるには膨大な時間がかかるし、大抵は足りない。量があっても熟成させるには更に時間がかかる。それを一本の道に整理するに...
読者好きが拗れてくると、誰しも自分なりの体型、通史のようなものを作りたくなってくる。 書棚に並ぶ背表紙が大凡、そのラフスケッチになってくる。しかし、それが充分な量になるには膨大な時間がかかるし、大抵は足りない。量があっても熟成させるには更に時間がかかる。それを一本の道に整理するにあたっては、これもまた膨大な時間がかかる。 この本は、決して斬新な見解を示すものではなく、ひとつひとつは割と標準的であるが、人類のコミュニケーションの方法の形、術の発展を描く。 タイトルの通り、洞窟壁画から始める。そこに描かれるのは多くの場合、動物である。そこからトーテミズムの萌芽をみる。 人間をどう定義するかは難しい。この本では、絵を描く生き物だと定義する。最初は、その定義には、「んー、まーそれもひとつではあるけどね」程度にしかピンときてなかったが、よくよく考えると、これはかなり良い指摘である。 「絵を描く」ということは、自分の知覚・想念を外化させること。そして、更には外化させた自己を知覚し新たな想念を抱くこと、自己の評価、自己のフィードバックを得ることである。 これはまさに「自己教育」であって、自分と、外化した自分とのコミュニケーションが始まるところから人間の独自性が生まれてくる、というのにはとても納得がいく。ここでいう自分は、まだ集団的意識、間主観的なものでできているが、自己教育の繰り返しのなかで、自我の発見にも至るだろう。その過程では自分と他者とのやりとりを通して絵が文字化していく。読みながらそんなことを思い、なるほど、たしかに人は絵を描く生き物なのだ。絵が時間軸をもつようになると、予定、企画というものにもなっていくだろう。 と、そんなことが、前半のところで感激し、そこからコミュニケーションの術がどう展開されていくのか、ワクワクしたけども、なかなかこれが訳文が悪い。英語訳の読みにくい文章の典型の形。 とはいえ、バーバラ・スタフォードのアートフルサイエンスを思い起こしたり、コメニウスを読んでてよかったなーと思ったり、数字の0の意味を始めてまともに理解したり、表意文字を他の言語を使う人たちが真似たときに表音文字がうまれる、というのにも納得したり、印刷の発明が標準化の発明にもなったことや、印刷・写真・映画・テレビなどの技術がいかに細かい発見の積み重ねの飽和点としてあったか、などなど、文庫ではなく、もっとビジュアルな本になれば面白いのにな、と思った。 んで、こういう本を読むと、自分なりの通史みたいなものを空想したくなるのだ。
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人類のコミュニケーション技術の発展を、イメージやイデオロギーの歴史としてではなく唯物論的な歴史として記述しようとする著作。 その歴史は、タイトルにもある通り、言語が発達する以前の洞窟絵画から始まり、印刷物に描かれた挿絵などを経由し、現代における連載漫画やテレビといった伝達技術へと...
人類のコミュニケーション技術の発展を、イメージやイデオロギーの歴史としてではなく唯物論的な歴史として記述しようとする著作。 その歴史は、タイトルにもある通り、言語が発達する以前の洞窟絵画から始まり、印刷物に描かれた挿絵などを経由し、現代における連載漫画やテレビといった伝達技術へと至る。それを記述していく際に、その発展の継起となった理由を、当時の人々の現実的な要請の中に求めている点が本書の特徴と言えるだろう。そういった態度の下での着眼点には興味深いものがある。暦の発展や印刷技術の発展、写真・映像技術の発展の物質的な発展など、要所には惹かれる記述があった。 ただ本文のせいか訳のせいかはわからないが、いささか話が緩慢で、全体としての説得力はあまり感じられない印象。
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