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福沢諭吉の哲学 他六篇 他六篇 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2001/06/18 |
JAN | 9784003810415 |
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福沢諭吉の哲学 他六篇
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評者は『日本政治思想史研究』『現代政治の思想と行動』『日本の思想』といった丸山の主著がいずれも名著であることを認めるに吝かでないが、これらは良くも悪くも「近代的政治主体の形成」という丸山の強烈な課題意識に導かれたもので、必ずしも歴史的対象を総体として把握することを目指したものでは...
評者は『日本政治思想史研究』『現代政治の思想と行動』『日本の思想』といった丸山の主著がいずれも名著であることを認めるに吝かでないが、これらは良くも悪くも「近代的政治主体の形成」という丸山の強烈な課題意識に導かれたもので、必ずしも歴史的対象を総体として把握することを目指したものではない。よって学問的には恣意的ないし一面的であるという批判に晒されてきた。 そうした丸山のスタイルは、学問や知識とは状況に規定された課題に対処するための道具であるという、ある種のプラグマティズムに根ざすものだ。学的な認識自体はあくまで手段に過ぎず、重要なことはそれが絶対的な真理か否かではなく、目的たる課題に対して「相対的に」有用かどうかである。西洋合理主義も独立自尊という近代日本の国家命題に寄与する限りにおいて意義がある。目的と切り離してそれ自体を信奉するのは愚かなことだ。福沢に即しつつ、こうした丸山自身の方法意識を体系的に述べたのが表題論文の「福沢諭吉の哲学」である。これは文句なしに丸山の最高傑作である。並の保守論客では容易に論破できない説得力を持っている。一方この論文と対をなす「福沢に於ける「実学」の転回」は『日本政治思想史研究』以来の「作為の論理」の延長線上にあるもので、丸山の読者にはそれほど目新しくはない。 全体を通じて一つ問題提起するとすれば、丸山(=福沢)は固定的な価値規準への「惑溺」を「作為の論理」の観点から批判するが、自覚的な「惑溺」というものをどう評価するだろうか。ハイエクが最も洗練されたかたちで理論化したように、慣習や伝統の限界を知りつつも、それが歴史の風雪に耐えてきたというただ一点を拠り所に、複雑極まる人間社会を導くものとしては、愚かで不完全な人間の「作為」よりはるかに信頼に足るとする態度だ。もっとも、この問いにどう答えるかは究極的には論証を超えた生き方の問題であるだろう。その答がどうあれ本書の価値は不変である。
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思想家のイメージがある福澤を哲学者として捉え、その方法論を探究。結果としてはそのプラグマティズム性を解き明かしているようである。丸山の福澤研究ってそういう事だったのか!という驚きと共に、この解釈は世間で受け入れられているのか?という疑問もある。それだけ福澤の思想的なインパクトが大...
思想家のイメージがある福澤を哲学者として捉え、その方法論を探究。結果としてはそのプラグマティズム性を解き明かしているようである。丸山の福澤研究ってそういう事だったのか!という驚きと共に、この解釈は世間で受け入れられているのか?という疑問もある。それだけ福澤の思想的なインパクトが大きいという事なのかもしれない。 ただし、プラグマティズムって魔法のツールなので、福澤と対照的に評されている内村鑑三にだってプラグマティズム性(状況倫理)はあるし、深読みすればどんな思想家からもプラグマティズム性を引き出す事は可能にも思える。それだけ、人間が思想的に首尾一貫して生きる事は難しく、結局は底流にある思惟的方法論の有無の問題という事に帰着してしまうのかもしれない。なら思想研究は人物から乖離すべきだし、その時々の時代状況に伴う言説を追いかけるしかないという事になってしまうのだが。それがよいか悪いかは別として。
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福沢諭吉についての論文を7つ。これまで福沢諭吉に関する論文は、ほぼ読んでこなかったため、いい勉強になった。 通常の歴史だと福沢諭吉は「学問のすすめ」や「脱亜論」で語られることが多いが、丸山が明らかにした福沢はそれ以上に先行した啓蒙思想家であったことがよくわかる。 「惑溺」の考察は...
福沢諭吉についての論文を7つ。これまで福沢諭吉に関する論文は、ほぼ読んでこなかったため、いい勉強になった。 通常の歴史だと福沢諭吉は「学問のすすめ」や「脱亜論」で語られることが多いが、丸山が明らかにした福沢はそれ以上に先行した啓蒙思想家であったことがよくわかる。 「惑溺」の考察は非常に興味深いものがあるし、「脱亜論」に関してもミスリードされて使用されていることがわかる。(「脱亜論」に関しては、「福沢諭吉の「脱亜論」とその周辺」に詳しい)
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