陽炎 東京湾臨海署安積班 ハルキ文庫

今野敏(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川春樹事務所/角川春樹事務所
• 発売年月日: 2006/01/13
• JAN: 9784758432139

商品レビュー

2023/12/24

安積班の面々の特色と、内面での葛藤が見事に表現されている。見掛けだけでは人はわからないもの。でも、安積警部補と各メンバー間の信頼の強さに間違いはきっとないことでしょう。

2022/07/13

ベイエリア分署安積班シリーズ。
短編集。サスペンスでもハードボイルドでもないが、捜査にあたる刑事達の人間らしいドラマが妙にカッコ良い。
標題の陽炎については、刑事事件ではない東京に来たばかりの予備校生と今どきのタンクトップでいる女の子との話。ここには都会の片隅における傷ついた人達のあたたかい人生が垣間見える。

2022/02/03

東京湾臨海署シリーズの第2弾。
東京湾臨海署安積班との副題の通り、安積警部補ばかりでなく、時には須田や村雨などの班員の視点で話が進行し、彼らの人柄を知るには格好の短編8話。
ちょっとしたときにふと洩らす安積のモノローグに、彼の人間味が見られる。
安積警部補の本領が発揮されるのが、表題作の『陽炎』。
主役の一人、少女が言う。
「このオジサン見てると、死ぬ気なくなっちゃてさ」
その後に綴られる「たしかに、この刑事には妙な説得力があった。その声や語り口のせいだろうか。高ぶった気持ちを静めてくれるような気がする」
安積の特質を表している。