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ゲーテとの対話(下) 岩波文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 1997/06/19 |
JAN | 9784003240939 |


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ゲーテとの対話(下)
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ゲーテとの対話(下)
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岩波文庫の「ゲーテとの対話」は上・中・下巻の三巻からなり、下巻は原著「その生涯の晩年における、ゲーテとの対話」の第三部(続編1822年から1832年(ゲーテ没年))までを収録している。 上巻と中巻の原著は1836年に出版されているが、下巻の原著はその12年後、1848年の出版で...
岩波文庫の「ゲーテとの対話」は上・中・下巻の三巻からなり、下巻は原著「その生涯の晩年における、ゲーテとの対話」の第三部(続編1822年から1832年(ゲーテ没年))までを収録している。 上巻と中巻の原著は1836年に出版されているが、下巻の原著はその12年後、1848年の出版である。原著の第一部・二部に編まれなかった続編で、かなり年月が経った後に書かれているので、当然のことながら質は落ちる。この続編は蛇足とまでは言わないが、エッカーマンの原稿だけでなく、ソレの稿も含み、補遺と呼ぶのにふさわしい内容である。 「ゲーテとの対話」をまったくの好奇心からでなく、教養を深めるために読むのだとしたら、上巻・中巻だけ読めば良いのではないか。下巻はマニアや好事家向けだと感じた。 下巻で私が気に入ったのは、ゲーテが生産的な気分にならないときにどうすればいいかをエッカーマン説いた所だ。エッカーマンが異論を唱えると、ゲーテは両方正しく、真理は一つではないという趣旨の言葉で会話を続ける。ここでも相手を否定せずに会話を転がしていく術が見て取れる。少し長くなるが下記に引用しておく。 「ある劇詩人の体質が、それほど丈夫でも抜群でもなく、どちらかといえば病気がちで、体力の衰えることがよくあるような場合だと、毎日場面を仕上げるのに必要な生産力が、たびたび渋滞し、時によると生産力が数日間も完全に失われてしまうことだってあるだろう。ところが詩人がアルコールの類を飲んで、欠乏した生産力を無理にひっぱり出そうとしたり、それによって不十分な生産力を高めようとしたりすると、むろんそれはやってできないこともあるまいが、そんな方法でいわば無理に書きあげた場面には、すべてそれが看取されて、大きな欠陥となるものだよ。」「だから、私がすすめたいのは、けっして無理をしないことだ。生産的でない日や時間にはいつでも、むしろ雑談をするなり、居眠りでもしていたほうがいいよ。そんなときにものを書いたって、後で、いやな思いをするだけだからね。」 「あなたのお話は」と私はこたえた、「私自身しばしば経験し、感じてきたことです。また、ほんとうにまったく真実で、正しいこととして拝聴せざるをえません。けれども、私には、生産的な気分を自然なやりかたで、無理をせずに高めることができるように思われます。私の今までの生活の中にも、ある種の複雑な状態に置かれて、はっきりした決心のつかないばあいがよくありました。しかし、そういうばあいに、葡萄酒を二、三杯ひっかけると、立ちどころに、何をすればいいかがはっきりわかり、その場で決心がついたものです。しかし決断を下すというのも、やはり一種の生産力です。そこで、もし二、三杯の葡萄酒が、このような功徳を与えてくれるのなら、こうした手だてもまんざら棄てたものではありますまい。」 「君の意見に」とゲーテは答えた、「反対するつもりはない。けれども、私がさっき言ったことも、それはそれで正しいのだ。してみれば、真理というのは、その光を一方だけではなく多くの方向に放つダイヤモンドにも似ているといえよう。(中略)たしかに、葡萄酒には、生産力をかきたてるなかなかみごとな力があるよ。けれども、そのばあい、一切は時とばあいが問題なのさ。ある人には役立つものも、ほかの人には毒になる。その上、生産的にする力は、休息や睡眠の中にある。また、逆に、運動の中にもある。そういう力は、水にもあれば、また大気中にもとくに顕著にある。戸外の新鮮な空気は、もともとわれわれにお誂えの場所だ。まるで、そこでは、神の精神がじかに人間にふきつけ、神の力が影響を及ぼしてくるかのように思われるからね。」(p252-254)
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生前にゲーテと対話したエッカーマンの回顧録。 多種多様な分野の話で、自身の理解が届かないと感じるのは教養不足なんだろう。 またしばらく置いてまたチャレンジしてみよう。 265冊目読了。
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第三部 まえがき 一八二二年 一八二三年 一八二四年 一八二五年 一八二六年 一八二七年 一八二八年 一八三〇~一八三二年 『ゲーテとの対話』第四部のための草稿より ゲーテ年譜 解 説 人名索引 ゲーテ作品名索引
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