水の女 溟き水より

高宮利行【解説】

• 販売会社／発売会社: エディシオントレヴィル/河出書房新社
• 発売年月日: 2006/11/13
• JAN: 9784309907048

商品レビュー

2014/08/28

実は持っているのが河出書房新社版ではなく、今は亡きトレヴィル（リブロポート）版。同じシリーズに「黄泉の女」「眠る女」という3冊が続けて刊行（確か）されていて3冊揃えて持ってます。
全てがいわゆるラファエル前派の、表題通り女性をメインとした画集で、うろ覚えですが、ちょうど版権が切れた頃か何かでラファエル前派の画集が何冊か立て続けに出ていたのと、デザイナーのミルキィ・イソベさんの大胆なレイアウトデザインもあって非常に目を惹いた本だったと記憶してます。
ちなみに当時は税抜き2900円（消費税は3%！）。当時もそれなりのお値段でしたね、よく3冊揃えて買ったなぁと我ながら感慨深いものがあります。

2011/02/28

先入観からか、死んでる女の絵から水の流れる音が聞こえてこない。
そして其処に存在し浮遊するだけの女の死体を見ていると、こちらの時間も止まったかのような錯覚に陥ることもある。
一瞬の停滞（そんなことありえないけど）はある種の恍惚を覚えるのに対し、絵のような一切の停滞はじわじわ迫り来る怖さがあり、水と女と死体の描かれている絵が出ると、次第に息をとめて凝視してしまう自分がいた。
なるほど「溟き水」、そのまま冥界へと連れて行かれるところだった。
うっとり。

2010/08/04

「水」ってどうしてこんなに多様なんだろう。水の女はすごく神秘的。儚いものもこちらを喰い殺しそうな程恐ろしいものも、もっと欲しくなる。蠱惑的。女を魔物として捉える考えを肯定するつもりは全くないけれど、惹かれる。