草津・白根殺人回廊 徳間文庫

梓林太郎【著】

• 販売会社／発売会社: 徳間書店/徳間書店
• 発売年月日: 2006/11/15
• JAN: 9784198925062

商品レビュー

2010/05/28

温泉で有名な草津を舞…

[文庫ＯＦＦ]

温泉で有名な草津を舞台に、殺人が起こるのでゆっくりと湯を浴びる暇もありません。

2013/02/23

冬合宿の課題本です。読了までだいぶ時間がかかりました。内容が難解であるとか、読みにくい文体であるとかいうわけではなく、個人的には飽きる文章でした。というのも、中盤から後半にかけて、聞きこんではまとめ、聞きこんではまとめるという刑事の描写が繰り返され、同じようなセリフが何度も出てくるために非常に発展しない内容になっていたのです。
見出しを読み、珍しく殺人の起きない刑事物かと思いましたが、過去に殺人がすでに発生していて、時効が云々、と言ったパターンの内容でした。まあ割とありがちな内容。刑事物に変化球を期待するのは的はずれな期待でしょうか。

あと、こういうタイトルなので草津感が全開で物語が進むのかと思いましたが、前半の舞台はほとんど信州ですね。読んだ限りでは、信州であることに意味は特になかったように感じられます。群馬とは隣県だからでしょうか。

あと個人的に気になったことについてつらつらと書いておきます。殺害に使用された青酸カリについてです。（このことについて言及するとこの本だけでなく多くの小説におけるボロを出してしまうし非常につまらないことを考えると思われますがご了承願われたい）
まず犬が毒まんじゅうで殺された件ですが、まんじゅうといいますと酸性なので塩基性の青酸カリと反応して青酸ガスが出ます。青酸カリはもともと胃酸と反応してこのガスを生じ、肺から血液に回って死に至ります。
で、まんじゅうをつくっている間に青酸カリをふるったとしたら、当然ガスが生じてしまうはずなので、作っているだけで体調不良になるはずです。非常に身体を張った殺害です。試しに猫を殺したときも猫マンマを作ったようですし、これも非常に身体を張った殺害だと思います。
そもそも致死量がかなりの量ですし、相当な臭いもあります。アルカリ性ですし口に入れたら激痛もするでしょうから吐き出すとおもいます。
ちなみに、仮に小瓶の蓋が金属性であればかなりの密封性が期待できるので、30年近く後でもまだ酸化しないでいる可能性はあるんじゃないかと思います。

しかも猫や金魚を殺したのにも関わらず千恵は最終的に大村を刺殺しているのはちょっとわかりませんでしたね。あと、カガインさんがあれだけしらを切っていたのにも関わらず最終的に糊塗されまくった発言でどうにかごまかそうとするのにはなんだか興をそがれた思いがしました。まだなにか言いたげな顔を…といった描写がありましたが、まだ嘘の自白を続けるつもりだったのでしょうか。わかりません。
もう一ついえば、地図はなんのためにあったのでしょうか。ちなみに僕は読み始める時に見ただけでそれっきりでした。
以上中途半端な青酸カリについての言及でした。