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カブールの燕たち ハヤカワepiブック・プラネット
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房/早川書房 |
発売年月日 | 2007/02/28 |
JAN | 9784152087973 |
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カブールの燕たち
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カブールの燕たち
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商品レビュー
3.4
12件のお客様レビュー
熱量というのが正しいのか、彼らがいる場所の暑さ、息苦しさが伝わってくるような物語だった。 誰もが見張られて生きている。 女性はチャドリの中に個性も主張も収められて生きる。 そんな中でも愛を見出す人々がいるが、決して報われる思いだけではない。 正義はどこにあるのか。 自由はどこ...
熱量というのが正しいのか、彼らがいる場所の暑さ、息苦しさが伝わってくるような物語だった。 誰もが見張られて生きている。 女性はチャドリの中に個性も主張も収められて生きる。 そんな中でも愛を見出す人々がいるが、決して報われる思いだけではない。 正義はどこにあるのか。 自由はどこにあるのか。 喜びを禁じられた人たちの物語は、フィクションじゃない。
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タリバン支配下のアフガニスタンの首都、カブールが舞台。 賑やかだった都の面影は消え去り、美しいかった街は荒廃しきっている。 公開処刑が毎日のように行われ、人々の心も荒んでいる。 女たちは顔を含めて全身を隠すチャドリの着用を義務付けられ、外で働くことはできない。 男たちとて自由では...
タリバン支配下のアフガニスタンの首都、カブールが舞台。 賑やかだった都の面影は消え去り、美しいかった街は荒廃しきっている。 公開処刑が毎日のように行われ、人々の心も荒んでいる。 女たちは顔を含めて全身を隠すチャドリの着用を義務付けられ、外で働くことはできない。 男たちとて自由ではない。音楽も娯楽も禁じられ、厳しい戒律を課すタリバンに監視されて、笑うことも楽しむことも許されない。 食糧も十分ではない街で、人々は恐怖に怯える日々を過ごす。 2組の夫婦が描き出される。 一方は、拘置所の看守を務めるアティクと、不治の病に侵されたムサラト。 もう一方は、ブルジョア階級だったモフセンと、教養がある美貌のズナイラ。 アティクは、昼は死刑囚の女たちを見張り、家に帰れば死にそうな妻になすすべもなく、息が詰まる毎日を送っている。 温和な性格だったモフセンは、家を奪われ賎民として暮らす日々に徐々に心を壊されている。無為に街を彷徨っていたある日、群衆の狂乱に乗せられ、公開処刑の女に石を投げつけてしまい、自分でもショックを受ける。彼の唯一の慰めは、家に帰って妻の美しい顔を眺めること。だが、司法官の仕事をタリバンに不当に奪われたズナイラは、身体の内に激しい怒りを秘めていた。 2組の夫婦の運命が、荒れ果てたカブールで交錯する。 ズナイラは夫との行き違いから怖ろしい罪を犯す。 独房でチャドリを脱いだズナイラの姿を見たアティクはその美しさに魂を奪われる。 夫が恋に落ちたことを知ったムサラトは、夫を救い、美貌の女を助け、自らも自由になるために、1つの提案をする。 物語はどこか、寓話的な余韻を残す。 ムサラトの計略は、衝撃的だが名案でもあった。だが、ことは思うようには運ばない。 残酷な世界の無残な定め。 けれどもそこにいくばくかの希望と美しさが宿る。 黒い布に身を包まれた、燕のような女たち。 彼女らはいつか再び、空を翔べるだろうか。 青い空を、何ものにも縛られず、思うがままに身を翻し。 著者のヤスミナ・カドラは女性名だが男性で、アルジェリア出身である。 アフガニスタン人が自国の物語を書いたのではない点が、この物語をどこか神話的・寓話的にしているのかもしれない。 だがここに描かれた自由と不自由は、普遍的な重さを持ち、物語をずしりと忘れ得ぬものにする。
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愛し合うということは、恵まれた環境にいてさえむつかしい。ましてや、困難な状況に置かれたとき、最後に残るのが愛だなんてことが、絶対であるとは言えない。 ムサラトが終盤に見せる態度がなんとも胸に迫るなあ。
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