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寺島実郎の発言(2) 経済人はなぜ平和に敏感でなければならないのか
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寺島実郎の発言(2) 経済人はなぜ平和に敏感でなければならないのか

寺島実郎【著】

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寺島実郎の発言(2) 経済人はなぜ平和に敏感でなければならないのか

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東洋経済新報社/東洋経済新報社
発売年月日 2007/02/22
JAN 9784492394755

寺島実郎の発言(2)

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2009/11/06

筆者がイラク戦争の理由を「石油の利権」など一般的に語られていることを明確に否定し、「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC)に大きく焦点を当てており、「イスラム社会をアメリカのような世界へ変革」させることに求めている。そしてブッシュ政権の打ち出した「先制攻撃論」は世界各地の問題を...

筆者がイラク戦争の理由を「石油の利権」など一般的に語られていることを明確に否定し、「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC)に大きく焦点を当てており、「イスラム社会をアメリカのような世界へ変革」させることに求めている。そしてブッシュ政権の打ち出した「先制攻撃論」は世界各地の問題を内包している国々に当てはめられることに警鐘を鳴らしている。その世界を迎えるにあたり、日本が「アメリカ」というフィルターで外交を見ていないことを批判し、新しい外交の枠組みの構想力を持つことを主張している。また、日本が中東やアラブに対して軍事介入や武器援助を行ったことのない例外的な先進国であるとし、その立ち位置でアメリカにはっきりとしたプレゼンスを示すことこそ重要であると説く。 また、イラクに自衛隊を派遣するかの是非については常に「アメリカに日本を守ってもらっているのだから仕方がない」という冷戦時代の固定観念が付きまとっていると指摘、自衛隊派遣は人道復興支援とアメリカ軍の後方支援という二重構造となっていると主張する。評者なりに解釈すれば冷戦時代というお荷物主義から一線を画して時代と向き合う必要があるのではないか ということである。 資本主義に対しても警鐘を鳴らしており、ライブドア事件や村上ファンド、耐震偽装問題など資本主義が社会主義体制に勝利したことが傲慢となって走り出したと指摘。その時成功していたアメリカ型の株主資本主義にバブル崩壊後の日本の経済人は足並みをそろえた。株主資本主義=株価が高く、高配当をもたらし、株主に対する説明責任がなされているということであった。しかし、筆者はアメリカ型の画一した資本主義をマネーゲームと批判し、ヨーロッパではユーロ社民主義とも言うべき地域に対する付加価値をバランスよく配分する責任を負っていることを指摘、日本独自の資本主義を改めて築いていくべきであると主張する。 また、日本貿易はアメリカが20%に対して既にアジアが45%に達することに対して、「日本は頭と体がバラバラである」とし、アジアの外貨準備高2兆ドルを背景に積極的にアジアのインフラ整備などに関わっていくべきであると主張し、日本・ブラジル・インド・ドイツが提出した国連改革案でアジアの国で支持したのがモルジブとブータンだけであり、日本がアジアから孤立することを懸念している。 本書は筆者による「発言集」であり、個別の経済政策・外交政策には触れていない。むしろ、産業や外交構想に力点を置いて発言をしている。 評者はそこには筆者が戦後の日本がアメリカというフィルターを通してでしか国家像を見ていないことや、官と民の対決というような単純な構造ではなくパブリックという黒子的な存在、額に汗して懸命に働いてきた人々に対する思い入れ、金融ではなく産業論といった構想力を提唱しているのだと思った。その点はマスコミを含めて常に情報に振り回されない基軸が必要であろう。我々はもう一度「日本」という21世紀の国家像の在り方を作り上げねばならない。

Posted by ブクログ

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