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灰色のダイエットコカコーラ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 2007/06/02 |
JAN | 9784062130639 |
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商品レビュー
3
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体の奥からこみ上げてくるエネルギーを誰もが感じたことがある。でもそれを問題であるとするかどうかには個人差がある。生きるのがうまい人たちは、楽々と自分の”価値”を見つけ出してこれだと決めると、そこにエネルギーを注ぎこんで消費してしまう。でも生きるのが苦手な人は? そのエネルギーがな...
体の奥からこみ上げてくるエネルギーを誰もが感じたことがある。でもそれを問題であるとするかどうかには個人差がある。生きるのがうまい人たちは、楽々と自分の”価値”を見つけ出してこれだと決めると、そこにエネルギーを注ぎこんで消費してしまう。でも生きるのが苦手な人は? そのエネルギーがなんのためのものなのか理解できない。破壊衝動だとか、覇王になるためだとか、適当に理由をつけて理解しようとしてもうまくいかない。だってそんなもの初めからないから。この小説はそういう生きづらい人がなんとか生きようとする話なのだと思う。
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こんなに読み進めるのが苦痛な小説ってあるんだなぁと思った。 肉のカタマリって何回言うねん。 無意味にグロテスク。
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この主人公、莫迦なの? そう思うのは簡単だが、果たしてそう云い切れるだろうか。 単行本の評価はなかなかに厳しいし好き嫌い別れそうな話ではある。何せ虐殺だの暴力だの強姦だのが、さも当たり前の正義であるかのように語られるのだ。北海道のとある町、「覇王」と称した建築会社社長の祖父を持...
この主人公、莫迦なの? そう思うのは簡単だが、果たしてそう云い切れるだろうか。 単行本の評価はなかなかに厳しいし好き嫌い別れそうな話ではある。何せ虐殺だの暴力だの強姦だのが、さも当たり前の正義であるかのように語られるのだ。北海道のとある町、「覇王」と称した建築会社社長の祖父を持つ主人公は、覇王になるべく奮闘するのだが、その覇王は、なんでもない当たり前の日常を過ごす肉のカタマリを支配することが当然だというのだ。14歳から19歳にしては、あまり気持ちの良い目標ではない。 だが「覇王」を目指す主人公を、「覇王」になることに取り憑かれながら何もできない主人公を、私は笑うことなどできない。将来の夢をさも当たり前に訊く現代では、何かになる、ならなければならないという概念が早い段階で要求されているように思う。覇王を目指し奮闘する主人公は、感覚は違うし具体的な目的はなくとも、ひとまずその夢にひた向かい、そして挫折するのである。 個人的にはハサミちゃんという娘の変貌がおもしろかった。女性というものは、ある意味で簡単にそうして諦められるものなのかもしれない、柔軟に物事を変えられるのかもしれない、などと思えた。 ところどころ顛末がまるでファンタジーだが、覇王を目指す主人公にあらゆる苦言を呈す肉のカタマリたちが及ぼす影響はなかなか見ていておもしろい。なんだかんだ主人公は覇王になることを自分に呪いかけているようにすら感じる。彼の虹は、最大に侮辱した肉のカタマリのなかにこそあった。 主人公は祖父にもミナミ君にも憧れつつ、そのどちらにもなれないが故に、彼らのその夢にすがっただけだ。主人公は彼らの後を常について行くだけだった。彼はただ何かになりたいと足掻く、どうしようもない10代に過ぎなかった。 彼が果たしてお父さんマシーンになれるかは、わからない。少なくとも普通に誇りを持っては生きることはないだろう。
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