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ライオンの皮をまとって
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 水声社/水声社 |
発売年月日 | 2006/11/30 |
JAN | 9784891765774 |
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ライオンの皮をまとって
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
ほっほう。そういう感じか。この人って独特の地味な世界を持ってるよね。素朴、繊細、人の密集した所ぎらい。 数奇な運命でもない関係の1人の男と1人の少女のドライブ中に、男が少女に物語を聞かせる設定。 なんだかんだ言って、我々は同じお話だったら、一時的にでも強く感情移入するのは本よ...
ほっほう。そういう感じか。この人って独特の地味な世界を持ってるよね。素朴、繊細、人の密集した所ぎらい。 数奇な運命でもない関係の1人の男と1人の少女のドライブ中に、男が少女に物語を聞かせる設定。 なんだかんだ言って、我々は同じお話だったら、一時的にでも強く感情移入するのは本よりも映画の方ではないだろうか?読み終わった後の余韻が映画の字幕クレジット見てるような感じ。つぎはぎに若い男女が出会い一緒に暮らした様子が描かれる。書いてみてなんと地味な話かと思うが、やっぱり彼でしか産み出せない世界なんだよな。
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同じオンダーチェの「映画もまた編集である――ウォルター・マーチとの対話」があまりに素晴らしかったので、小説も読んでみたくなり、たまたま図書館の開架に1冊だけあったこれを、がしっとつかんで持って帰ってきました。 物語の最初の方のいくつかのシーンの描写に、完全に魅了されてしまった。...
同じオンダーチェの「映画もまた編集である――ウォルター・マーチとの対話」があまりに素晴らしかったので、小説も読んでみたくなり、たまたま図書館の開架に1冊だけあったこれを、がしっとつかんで持って帰ってきました。 物語の最初の方のいくつかのシーンの描写に、完全に魅了されてしまった。少年パトリックの記憶の中の名もなき男たちや父親の過酷な労働の日々の姿と、ニコラスが尼僧を助ける場面。 なんて美しい。 文字なのに、まるで静謐なBGMつきの美しい映像を追いかけているかのよう。 詩人が散文を書くとこうなるのか、と感動です。 残念ながらそれ以降は、会話などが観念的過ぎて、あまりおもしろいとも思わなかったのだけれど、その最初の美しい描写の記憶のおかげで、なんだかぐいぐい読んでしまった。またああいう描写に巡り会いたい一心で。 これも、一種のプロレタリア文学なんだろうな、私の中のプロレタリア文学のイメージとはほど遠いけど、と思いながら読み終わり、続いて訳者の「あとがき」を読んだら、「これは官能プロレタリア小説とでもいうべきものだ」と書いてあって、ははっと思わず笑ってしまった。確かにそのネーミング、ぴったり。労働を描いているシーンがやけにエロティックで。 訳者はセックスシーンも含めてこの呼称を述べたのかもしれないけれど、セックスシーンなんてなくてもこの名称でいけるんじゃない?と思うくらいに働く姿が官能的です。 ちなみに、解説を読むまで、「イギリス人の患者」の前編とは知りませんでした。 ヘミングウェイとか村上春樹のように別の作品に同じキャラクター名を何度も使う作家なのかな?くらいに思っていたので、あとがきを読んで、名前だけじゃなく同一人物と知ってビックリしました。 「ウォルター・マーチとの対話」を読んで、映画「イングリッシュ・ペイシェント」をもう一度ゆっくり見直したいと思っていたところだったので、どうせだから原作もいつか読んでみようと思う。
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新大陸の造られてゆく都市の記憶、そして労働者、資本家、移民たちの記憶、コラージュされ各編が濃密に絡み合うストーリーと文章。とても圧倒的だった。ただ美しい文章で書かれた小説という訳ではない。 この物語は、訳者があとがきで述べているように、一つひとつの文章がどこか普通ではない。...
新大陸の造られてゆく都市の記憶、そして労働者、資本家、移民たちの記憶、コラージュされ各編が濃密に絡み合うストーリーと文章。とても圧倒的だった。ただ美しい文章で書かれた小説という訳ではない。 この物語は、訳者があとがきで述べているように、一つひとつの文章がどこか普通ではない。'何か他のものに移り変わりゆくその瞬間を捉えた'文体と言えばよいのか… 本書がオンダーチェが詩から小説へと徐々に移行してゆくまさにその時に書かれた小説というのも頷ける。 最新作の「名もなきテーブルの人々」の寂しくも美しい冒険譚を読んだ後の本書は私にはあまりに衝撃的だった。 そして何よりこの物語は「イギリス人の患者」と地続きなのだ。あなたも、あの本を読んだ時に感じた謎や想像するしかなかった部分を、再読によって見つけ出すことができるかもしれない。
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