ドキュメント 現代の傭兵たち

ロバート・ヤングペルトン【著】, 角敦子【訳】

• 販売会社／発売会社: 原書房/原書房
• 発売年月日: 2006/12/25
• JAN: 9784562040445

商品レビュー

2008/08/20

＜急募＞
　業務内容：要人警護
　日当：$600〜
　勤務地：イラク
　＊経験者優遇します。

イラクには12万以上もの、この民間警備会社が派遣した傭兵が「要人警護」「軍の後方支援」等の業務を行っており、今なお多くの犠牲者が出ている。

イラク戦争で急激に成長している業界。
「民間警備会社」元軍人や警官を高額な報酬で雇い、要人警護等の仕事を行う会社。筆者が取材し、その実態を描いた作品。

この業界。すでに、元軍人、CIA等を会社上役に据え、国からの仕事を高額な金額で受注する、一大利権構造ができあがっている。
国家にしても、正規の軍ではないので情報公開の必要もなく、万が一軍規に反することを犯しても、国に責任は無く、委託先の企業が傭兵を解雇すればいいだけ。正規に認められていない作戦には尚更利用しやすい。
それだけに、益々仕事は増え、企業は業績を上げて行き、いづれはPKFの代わりを担うことができる「民間軍事企業」への転進を目論む会社も出てきている。

こんな物騒な業界。もちろん問題もある。
アフリカではクーデターを起こして、豊富な資源を手に入れようとするよう会社だ出てきたり。
イラクでは、身を守るとはいえ、過激な行動で実際に民間人を殺してしまう事態も発生している。しかし、それらは罰せられず放置されることにより、地域民と重大な軋轢を起こしている。

本書は様々な問題を抱えながら、急成長していくこの業界を、企業側、傭兵側から克明にレポートしており、大変興味深かった。