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『こゝろ』研究史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 和泉書院/和泉書院 |
発売年月日 | 2007/03/31 |
JAN | 9784757604070 |
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『こゝろ』研究史
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「こゝろ」100周年の今年まで、いかにこの本が多くの評論家を巻き込んで研究がなされてきたのか、豊富な文献からの紹介で年代ごとに詳細に明らかにされていく。私自身が読んだのは中学時代か。「先生」が罪の意識からの自殺に追い込まれるという、弱い人間としての受け止めだった。しかし、そこに多...
「こゝろ」100周年の今年まで、いかにこの本が多くの評論家を巻き込んで研究がなされてきたのか、豊富な文献からの紹介で年代ごとに詳細に明らかにされていく。私自身が読んだのは中学時代か。「先生」が罪の意識からの自殺に追い込まれるという、弱い人間としての受け止めだった。しかし、そこに多くの謎が含まれていることを、他の登場人物の内面に迫ることによって浮彫にされていく。K、語り手である「私」そして何よりも謎の「お嬢さん(先生の奥さん・静)」そしてその母。この小説が明治天皇の崩御2年後に書かれ、乃木希典の殉死が書かれている意味合いの謎が解けるようにも思う。「先生」は乃木のように「明治精神への殉死」をしたとすれば、むしろ強い姿にもなり得る。その後の「私」と「奥さん」が結婚するなどとの説(小森陽一など)もあるということで、余韻の大きさから強ち不自然な想像ではなさそう。何と124ページに及ぶ末尾の文献目録が「こゝろ」の影響の大きさを語っている。 著者がP103で「一見、人間のどす黒いエゴイズムの暴露、愛の不可能性、人間の信じがたさを語っているように見えながら、読む者に温かい感動を与えるのは何故だろう。それは「私」という人間を登場させることにより、「先生」の、そして漱石の最後の人間への信頼を語ろうとしたためではあるまいか。逆説的に人間の信を祈念し、語りかけているからではないのか。「先生」は、「私」は最後に全面的な信頼をもち遺書を与え、「私」はそれを全身で受けとめたのである。そして「私」は我々読む者に重なるのである。」と書いている。全くその通りで素晴らしい一文である。
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