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荷風好日 岩波現代文庫 文芸111
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荷風好日 岩波現代文庫 文芸111

川本三郎【著】

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荷風好日 岩波現代文庫 文芸111

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2007/01/16
JAN 9784006021115

荷風好日

¥220

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2022/04/23

永井荷風という人は私にとってずっとよくわからない人のままでいた。好色な爺さんというイメージはあったのだが、そのイメージはむろん「偏見」にすぎない(流布されたイメージをそのまま受け取る、渡部直己的に言えば「電通的」な安直さだ)。この本を読んで荷風の孤独を知り、本質的に荷風が「見る人...

永井荷風という人は私にとってずっとよくわからない人のままでいた。好色な爺さんというイメージはあったのだが、そのイメージはむろん「偏見」にすぎない(流布されたイメージをそのまま受け取る、渡部直己的に言えば「電通的」な安直さだ)。この本を読んで荷風の孤独を知り、本質的に荷風が「見る人」であったがゆえに『濹東綺譚』や『断腸亭日乗』が孤高の作家としての傑作足りえたこと、かつ戦後の荷風が老いさらばえていく定めであったことを知ったように思う。一貫した長編評論ではないのでどこからでも読めて、荷風の魅力に気軽に触れられる

Posted by ブクログ

2020/01/08

『荷風と東京―『断腸亭日常』私註』上下巻(岩波現代文庫)で『断腸亭日乗』に登場する東京の姿をえがいた著者による、永井荷風についての論考、エッセイを収録しています。 第一部「街の中で」では、『荷風と東京』とおなじテーマの論考などが収められており、都市を散策しつつその場所にまつわる...

『荷風と東京―『断腸亭日常』私註』上下巻(岩波現代文庫)で『断腸亭日乗』に登場する東京の姿をえがいた著者による、永井荷風についての論考、エッセイを収録しています。 第一部「街の中で」では、『荷風と東京』とおなじテーマの論考などが収められており、都市を散策しつつその場所にまつわる文学的風景をたどることのたのしみを、いわば追体験できる内容になっています。また第三部「時の中で」では、戦争体験が荷風にどのような影響をあたえたのかということについて著者自身の見解が示されるとともに、「戦後」という時代を荷風がどのように生きたのかということが論じられています。 戦後の荷風についての著者の解釈は、果たして妥当なものなのか疑問に感じる点もありますが、著者の問題提起そのものは鋭いのではないかと思います。他の論者たちがこの問題についてどのように考えているのか知りたいところです。

Posted by ブクログ

2012/08/31

同じ著者の荷風に関するムック風の本の内容を更に深くした感じの内容です。荷風の文学のバックボーンにあったものは何かというのが解りやすい言葉で解説されています。 これから荷風を読む人への道案内の書として 興味を持つには格好の一冊です。 懐古趣味とも言うべき江戸情緒への傾倒。フラン...

同じ著者の荷風に関するムック風の本の内容を更に深くした感じの内容です。荷風の文学のバックボーンにあったものは何かというのが解りやすい言葉で解説されています。 これから荷風を読む人への道案内の書として 興味を持つには格好の一冊です。 懐古趣味とも言うべき江戸情緒への傾倒。フランス文学への生涯変わらぬ愛着。都市散策や個人主義に裏打ちされた独身生活から生み出した当時の生活を克明に記した作品群の成り立ち…。そして、雑踏に紛れるようにして巡り合った、情愛深い夢幻的な愛情…などといった荷風作品の底流をなすものについて著者は愛情を込めて描き出しています。 墨田区・葛飾区・千葉など下町の具体的な地名が頻出しますので、地図を傍らに読むのをお勧めします。これを読むと荷風の作品に直接当たりたくなりますよ。

Posted by ブクログ

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