北方領土交渉秘録 失われた五度の機会
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北方領土交渉秘録 失われた五度の機会

東郷和彦【著】

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北方領土交渉秘録 失われた五度の機会

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2007/05/28
JAN 9784103047711

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商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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2020/11/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

著者は対ロシア外交の最前線に立ち続けた東郷和彦氏。『国家の罠』を著した佐藤優氏の外交官時代の上司にも当たる人物。 そして、この本が出たのが2007年。外務省が鈴木宗男氏を排除するための謀略を起こし、それに巻き込まれる形で東郷氏が外交官としての地位を追われたのが2002年とのことで、それからたった5年しか経っていない、まだ北方領土交渉が世間の関心を(2020年の今よりは)集めていた時期にこの本が世に出たことになる。 この本を2007年当時の熱量で読めていたら、きっと今とは違う感想を抱いたと思う。東郷氏の北方領土交渉にかけた強い思いはこの本の隅々から感じることができるし、外交の最前線にいる人たちの鬼気迫る粉骨砕身の努力を垣間見ることができるし、日本とロシア双方の政治の内紛とゴタゴタの中で北方領土を取り戻せたかもしれない惜しい時機を悉く逃したことへの憤りと喪失感を、2020年の今ですら感じることができる。 東郷氏によると、北方領土交渉においてロシア側を日本に振り向かせる機会は少なくとも5回あったらしい。しかし、そのすべてにおいて日本、もしくはロシアのどちらかの政治情勢が悪く、交渉を進展させるに至らなかったというのは、運が悪いの一言で片づけるにはあまりに切ないし、口惜しい。 特に5回目の交渉の窓が閉じた理由が、田中真紀子がロシア交渉を白紙に戻すというバカな宣言をしたためで、それが2007年当時において、交渉のための日露の信頼関係を破壊するには十分すぎるほどの決定打であったということを考えると、やはりバカは政治の表舞台にも裏方にも、どこにも出てきてはいけないのだ、ということをつくづく感じさせる。 400ページ弱の大作だが、徐々に史実に引き込まれていく中でページは勝手に進んでいくので、読み終えるにはそれほど時間を要しない。 巻末の佐藤優氏の解説も、解説の域を超えて一つの論評として十分に読める。何より、普通ならば著者の全てを肯定し褒めたたえることの多い「解説」の冒頭において「本書の書き出し部分、プロローグ、第一章、第二章はプロの小説家のような見事な筆運びで、読者もぐんぐん中に引き込まれていくことと思う。また、末尾の第十四章以降も読みやすい。しかし、これらの間に挟まれた各章がやや読みにくい。せっかく本書を取った読者が途中で放棄してしまうことがないようにするためには、ちょっとした道案内が必要である」などという「注文」を付けるあたりが微笑ましい。東郷氏と懇意だからこそ、こうした厳しい指摘もできるのだろう。 ちなみに、「道案内が必要」の言葉通り、佐藤氏は20ページ超に渡って「解説」をつけている。通常、解説は本文を読み終えて順番通りに最後に読めばいいのだが、この本に限っては「解説」から読んでも面白い。佐藤氏自身、北方領土交渉に身を投じていたこともあり、東郷氏とは異なる視点、考え方で交渉が霧散した理由を分析している。これも、この本の「解説」が開設の域を超えて読み応えがあると感じられる一因である。

Posted by ブクログ

2018/10/08

事実は、フィクションなんかより格段に魅力がある。そして事実でも具体的な方が、コンサルが抽象化して書いたものより説得力がある。小説を読む時間があるなら、このような本を少しでも多くの人に読んでもらいたいと思う。 自分は北海道出身だが、北方領土が返還される日がやってくるなどとは正直想像...

事実は、フィクションなんかより格段に魅力がある。そして事実でも具体的な方が、コンサルが抽象化して書いたものより説得力がある。小説を読む時間があるなら、このような本を少しでも多くの人に読んでもらいたいと思う。 自分は北海道出身だが、北方領土が返還される日がやってくるなどとは正直想像できなかった。が、実際の交渉過程を読んでいくと、返還は現実的にありえるし、日本人として強く主張していかなくてはならないことだと感じた。 東郷氏は祖父が戦時中の外相東郷茂徳であり、サラブレッドであるが、このような才能と熱意のある人が日本の国益のため真剣に領土問題に取り組んでいたことに感動した。森元総理や鈴木宗男等はこれまでどうしようもない人間だと軽蔑してきたが、本書を読んでかなり見方が変わった。 「交渉」の勉強にもなった。信頼関係の構築、妥協点の見極め、「51対49」など、具体的な描写があったからこそ、理解できたと思う。                   

Posted by ブクログ

2013/03/15

先日の森ープーチン会談の引き分けについての興味から見つけたのがこの本。2001年のイルクーツク宣言に至るまでの過程が綿密に描かれている。 出だしはムネオバッシングに始まった佐藤優の裁判から。イスラエルのロシア問題権威の教授の日本招聘やテルアビブ大学で開かれたロシアをテーマにした...

先日の森ープーチン会談の引き分けについての興味から見つけたのがこの本。2001年のイルクーツク宣言に至るまでの過程が綿密に描かれている。 出だしはムネオバッシングに始まった佐藤優の裁判から。イスラエルのロシア問題権威の教授の日本招聘やテルアビブ大学で開かれたロシアをテーマにした国際学会への派遣を日露支援協定に基づいた支援委員会の資金から拠出したことが目的外支出の背任に当たるということだが、この立件は条約局長の決裁を正当な手続きに沿って進められており意味不明。当時はむしろムネオハウスの方がマスコミを騒がせていたが自民党内や外務省内の権力闘争が領土問題より優先されたことになる。 個人批判にならないようにかなり気を使って書かれているが内容を見る限り2001年3月のイルクーツク宣言の後、ちゃぶ台をひっくり返してしまったのは田中眞紀子で結局それを指名した小泉の失敗なんだと思う。しかし4月の小泉政権誕生、911とアフガン侵攻があり、2002年1月に田中眞紀子更迭、9月に北朝鮮訪問、2003年イラク侵攻と見ているとこの時期に交渉が進展するのは難しかったんだろうなあと思う。 著者が切々と書いているのは交渉は相手があることでありお互いの主張を言い続ける限りは平行線に終わり交渉にならない。受け入れられなくても相手の主張を聞きその中で部分的にでも合意できることを積み上げて行くべきだということ。東郷氏の祖父からの言葉を母親からの遺言として聞いた言葉が51対49。 「交渉では、自分の国の、目の前の利益を唱える人はいっぱいいる。でも、誰かが相手のことも考えて、長い目で自分の国にとって何が一番よいかを考えなくてはいけない。最後のぎりぎりのときにそれができるのは、相手と直接交渉してきた人なのよ。その人たちが最後に相手に『51』あげることを考えながらがんばり通すことによって、長い目で見て一番お国の ためになる仕事ができるのよ」 プーチンは平和条約締結とその後の色丹、歯舞の引き渡しには同意しているが国後、択捉の引き渡しは考えていないし、平和条約締結後には領土問題は存在しないと言う立場を表明している。

Posted by ブクログ

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