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日本官僚制の連続と変化
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日本官僚制の連続と変化

中道實【編】

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日本官僚制の連続と変化

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ナカニシヤ出版/ナカニシヤ出版
発売年月日 2007/02/28
JAN 9784779501036

日本官僚制の連続と変化

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2013/02/01

本書は2冊構成で、ライフヒストリー編もあるのですが、今回はライフコース編だけ読みました。 官僚の役割意識・行動の変遷について、ライフコースに焦点を当てて描いた1冊です。 分析手法としては、1935~79年入省の上級官僚を対象とする郵送アンケート調査の結果を用いたコーホート分析...

本書は2冊構成で、ライフヒストリー編もあるのですが、今回はライフコース編だけ読みました。 官僚の役割意識・行動の変遷について、ライフコースに焦点を当てて描いた1冊です。 分析手法としては、1935~79年入省の上級官僚を対象とする郵送アンケート調査の結果を用いたコーホート分析が主に行われています。各章で扱われる変数は、家族構成、出身階層、教育経歴、上司との関係、異動経歴、公務員観、自治体観、生活満足度、官僚の役割意識など多岐に渡っており、資料としての使い勝手も良いです。 本書のデータからは、官僚の自己認識として、政策の課題設定・立案・決定の全てのステージにおいて影響力を持っていることが見て取れます。(9章)一方、政官関係については、欧米とは反対に、政治家の役割領域が拡大しつつあることも示されます。(10章)また、官僚の意識分析では、「忠誠心」や「職業是認意識」が戦前から低下する反面、自身の役割を「安定性」や「失敗しない」などの点で評価している傾向が見られています。(6、13章) 個人的に、99年の政治改革(政府委員廃止、副大臣・政務官新設)についての官僚の評価で、「政治家の能力向上」が先決であるとしつつも、一定割合が「制度改革は有効」となっているデータに興味を持ちました。(13章) また、中央官僚の地方自治体観についても、出向期間の長さによって職員の評価が改善されていく点、コスト意識に対する評価がダントツに低い点など、今後の地方分権改革を考える材料として価値があるように思います。(12章) 他にも、現代に近づくにつれ、関東出身者の増加、出身階層の広がり、東大比率の低下、昇進速度の鈍化、異動回数の増加、「模範提示型」の上司の増加、生活満足度の低下などの傾向が示されており、参考になりました。(2、3、4、5章) 一方で、戦前から経済成長期にまたがるコーホート分析の結果は、ある程度予測できる範囲に留まっていたので、それ以外の分析ももう少し見てみたかった気がします。 また、本書の目的とは異なるのでやむを得ないのですが、官僚の役割意識・行動と政策アウトプットとの関係性についてはあまり触れられていない点、少し物足りなさを感じました。 ただ、やはり資料としての価値は高く、分析方法の勉強にもなるので、手元に置いておくと便利な1冊だと思います。

Posted by ブクログ

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