子どもたちに寄り添う

坪井節子【著】

• 販売会社／発売会社: いのちのことば社/いのちのことば社
• 発売年月日: 2007/04/15
• JAN: 9784264025337

商品レビュー

2007/09/22

いや。まじで。これはおすすめです。最近スマッシュヒットばっかりで嬉しいです。中央線で通勤途中に読んだのですが、涙が止まりませんでした。

この本を読むと、今を生きる子どもたちの追い込まれている『現実』を知ることができます。これは、ほんとにびっくりします。
そして、今まで無関心でいた、自分の身の回りにいる子どもたちに優しい気持ちで接しようと思えるようになります。
そして、そして、手に負えない問題が、自分のそばにある時に、頼れるプロがいることを知ります。個人的にはこれがうれしかったなぁ。この働きが全国に広がっていくことを願わずにはおれません。

この本を読んで、毎度おなじみの夜回り先生を思い出しました。
水谷先生のしていることは尊いと心から思いますが、正直「かなわないなぁ。すごいなぁ」と思うだけで足がすくんでいました。
だって全部一人でできちゃうんだもんなぁ。かなわないよ。

ですが、この本を読んで、水谷先生のようにはできなくても、自分にもできることがあるんだと、そう思うことができました。求められていることはそんなに多くない。
（あっ、水谷先生も全部一人でやってるわけじゃないことぐらいはわかっています。印象の問題ですね）

そして、自分は一人じゃない。その次の段階としてプロに頼ることができる。

そして、そして、最終的には委ねることができる相手がいるんだと知ることができる。

この委ねるってことばは結構やっかいなことばで。
諸事情により基本的に使いたくないと思っていたことばなのです。

坪井先生のお人柄もあると思います。そして、その素直で純粋な信仰に触れたからだと思いますが「この人だったら『委ねる』ってことばを使われてもゆるせる」って不遜ながらそう思いました。
雑誌や本書に掲載されている写真でしかお会いしたことがありませんが、そのやさしさが伝わってくるんですよねぇ。

「ああ、頼るべき何かがある人って強いなぁ。
　この人神さま信じてるんだなぁ。」

と思いました。だから人にやさしくできるんだなぁとも。絶対に裏切らない存在を信じている人って強いと思います。

すごい本だと思います。
こどもに関わるすべての人におすすめです。

…うーん。いや、すべての人におすすめです。
自分には無い視点でしたが、子どもの人権を考え、守ろうとする姿勢や行動が、これほど多くの問題の解決の糸口になるんだってことを私は知りませんでした。ちょっと目が開かれる思いです。