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組織自律力 マネジメント像の転換
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会/慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2006/09/28 |
JAN | 9784766413076 |
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組織自律力
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商品レビュー
4.5
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『組織自律力』 佐藤剛 2022年10月―12月期 グロービス参考図書 佐藤先生の講義を全6回受講したが、本書を読むことでハイライトのような感慨を覚えた。人間が環境を認識し、適応するためには道具が必要であり、その道具は「会話」に他ならない。本書では組織が自律的(≠自由)な人間に...
『組織自律力』 佐藤剛 2022年10月―12月期 グロービス参考図書 佐藤先生の講義を全6回受講したが、本書を読むことでハイライトのような感慨を覚えた。人間が環境を認識し、適応するためには道具が必要であり、その道具は「会話」に他ならない。本書では組織が自律的(≠自由)な人間によってまとまりを持ち、動的平衡を保つためには「会話」が重要であり、そして、「会話」を戦略的に用いるにはどのような方法があるのか。ということを様々なケースも交えながら論じている。 「会話」の重要性に関してはコッターの『リーダーシップ論』でもしきりに論じられているが、第4章で会話そのものに関して突っ込んだ考察がなされている。 会話のメカニズムとして、「聞き取った言語を解釈するとき、ズレが生じることがある。そのズレを修正しようと発話を続けるプロセスの中で、当初イメージしていたこと、考えていくことが変化し、発展していく。」「会話を始める前には言葉として適切に表現できなかった頭の中のイメージが相手の質問や反応に応えることを通じて、徐々に具体化していく」というプロセスの中に、会話のダイナミズムを見出し、様々な内容が盛り込まれた冗長な会話が創造性のカギを握るとされている。冗長性の中に、会話の主体が普段気づいていない新しい情報が生まれる可能性があるという文章は個人的な実感に合致するところがある。 第5章、第6章ではリーダーシップと会話について論じられている。佐藤先生の別の書籍である『イノベーション創発論』でも、組織間での葛藤、そして協働こそがイノベーションの種であると記載があるが、まさにリーダーがつなぐのも組織間である。私自身の趣味でもあるが、こうした辺境にこそ次世代の萌芽があるということは、増田四郎先生の辺境史観や、内田樹の『日本辺境論』でもしきりに論じられている。また、言語学でもすべての言語は、ある言語と別の言語の境界で生成されたピジン言語である。人類学においても境界侵犯と境界間のコミュニケーションが重要であるとされている。まさに、ビジネスにおいても組織間にこそ次世代の萌芽が宿るということはある種真理ではないか。 少々脇道にそれたが、冗長性の高い会話や門外漢のリーダーと専門家の会話において、重要になる新しい視点は、問題の制約条件の指摘にあると第6章では論じられている。他部門であったり、門外漢のリーダーに専門家が説明することで、狭くなってしまった視野では気づくことのできなかった制約条件への気づきや、担当部門の仕事の再定義が自然に行われる。学んだ知識を多面的にとらえ直すことが、学習の観点でも重要であることは、ボーザーの『Learn Better』にも記載があるが、こうした複数の視点の獲得が、ブレークスルーを生み出す。リーダーは必ずしも、その専門領域ではなくとも、しきりに課題意識をもって質問をすることで、チームをまとめていくことが可能である。様々な企業を渡り歩くトップマネジメントに共通しているのは、質問力である。そして、こちらは第7章でも触れられているが、限られた情報から全体を推測する、あるいは構想する能力、つまり構想力が質問力を下支えする。 会話は具体的な指示を出すのみならず、イメージや価値観を伝えることも可能である。ここに、指示するわけではなくとも、自律的人間を育成するヒントがある。自律的人間とは、自らを統制するルールを模索し、自ら考え、行動する人物であり、環境変化の激しい現代社会に不可欠な人物であるが、自ら育つしかないという難題がある。しかし、会話がイメージや表象を伝えることができる故、行動の意味にゃ価値を付与することが可能である。その言葉だけではなく、伝え続ける、質問するということのメタメッセージによって、感覚や価値観が同期していき、自律的人間が育っていく。 やはり、会話が重要なのである。人間が個人ではできないことを行うのが集団、組織であるならば、その組織にとって最も重要なツールはやはり会話である。本書で学んだ会話の重要性や意義を捉え直し、今後実践していきたい。
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大学の先生が書いた本なので難解。読了まで時間がかかった。が、得るものはある。社内間での会話の重要性、更にはそれを促進する仕掛け、工夫について言及。管理職向き。
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