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建築を読む アーバン・ランドスケープTokyo-Yokohama
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社/青土社 |
発売年月日 | 2006/12/15 |
JAN | 9784791763092 |
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建築を読む
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なかなか刺激的な建築・都市・文化論の一冊。 [more] 文中でもふれられている小林信彦的なスタイルをとっている。 すなわち 個人的体験→評論→評論と個人的体験の結節点を見いだす→結論 という構造になっている。 同時代的な何かから物事を見いだして行くのは森田誠吾の明治人ものがたり...
なかなか刺激的な建築・都市・文化論の一冊。 [more] 文中でもふれられている小林信彦的なスタイルをとっている。 すなわち 個人的体験→評論→評論と個人的体験の結節点を見いだす→結論 という構造になっている。 同時代的な何かから物事を見いだして行くのは森田誠吾の明治人ものがたりとも似ている。 なかなかに楽しめる一冊であった。
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このごろ繰り返しひろげる本に、梅本洋一の新著『建築を読む アーバン・ランドスケープ Tokyo-Yokohama』(青土社)がある。もちろんその理由は、単に僕がこの本の著者を公私ともによく知ることに多くを依っているだろうが、そればかりではない。本書を捲っていると、これまで疎遠だ...
このごろ繰り返しひろげる本に、梅本洋一の新著『建築を読む アーバン・ランドスケープ Tokyo-Yokohama』(青土社)がある。もちろんその理由は、単に僕がこの本の著者を公私ともによく知ることに多くを依っているだろうが、そればかりではない。本書を捲っていると、これまで疎遠だった建築というジャンルに少しずつ興味がわいてくる不思議に、いつの間にか誘われていることも確かなのである。 『建築を読む』は、愉しさ、歩いている感じ、推進力、ノイズ、社交的な記述に充ち満ちているが、僕に言わせれば、これは梅本洋一の著書の中で最もペシミスティックな一冊でもある。梅本洋一の本というのは、映画にしろ演劇にしろ、圧倒的に不利な状況をわかっていながら、あえて立ち向かうような姿勢が横溢していたのが、これまでの性質だった。「あいつらにこっぴどく殺られちまったが、まだ少しは義勇兵が残っているぞ」という、滅びは不可避かもしれないものへの希望の灯みたいなものが、しっかりと灯されていた。 だが『建築を読む』では、ところどころに映画批評では見られないような悲観的な悪態を読むことになる。「時代」が彼にこれを書かせるのか、それとも「建築」というジャンルの急いでいる在りようがそうさせるのか。もちろん、映画批評と同様、擁護すべきものを擁護するという姿勢が根底にあることも明らかである。 さらに僕がもう一つ理解し得ていない点は、本書では、建築を語る際にノスタルジーという態度を再三再四否定しているわけだが、その反面、横浜時代や表参道時代など少年期の個人史的な追憶にも充ち満ちている点である。この差異をどこに見つけて読めばよいのか? 「かつて在ったもの」が「いまはない」という不等記号を、どのように結んでいくべきか? 僕はいまそれを、この本を通して、じっと読み解こうと熟考している。
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梅本洋一は映画および映画批評のジャンルで活躍している人物であるが、Y-GSA教授の北山恒と友人であることもあり建築の評論もよく書く。この本はその北山の作品集のための論考とともに、主に横浜と東京のランドスケープについて書かれた文章で構成されている。その語り口は古き良き日本への一種の...
梅本洋一は映画および映画批評のジャンルで活躍している人物であるが、Y-GSA教授の北山恒と友人であることもあり建築の評論もよく書く。この本はその北山の作品集のための論考とともに、主に横浜と東京のランドスケープについて書かれた文章で構成されている。その語り口は古き良き日本への一種のノスタルジーが基盤となっているから、若い世代とくにアトリエ・ワンなど、東京オリンピック/高度経済成長/バブルを経て「壊された」風景をポジティブに解釈するスタンスに慣れた学生としては共感しづらいところもあるのは確か。けれど、だからといってこの本を頭の固い良心派のそれと断定するのはすこし違う。アトリエ・ワンらよりさらに若い藤原徹平とともに横浜を歩き、書かれた第五章は、二人の価値観が交錯しつつ、日本の都市のランドスケープに対するもう一つ先の見方がほのめかされていて、興味深い。 個人的には、 西沢立衛の「横浜は都市のように思えない。というのも、匿名性のようなものがあまりないように思える」という発言と、 坂茂の「社会や文化に有効となるために、建築はディテールではなくひとまずダイアグラムを重視しなければならない。そして、建築はヒエラルキーを作ることだ」という発言が引かれていたことが、知識として有用に思える。
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