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反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする! PHP新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所/PHP研究所 |
発売年月日 | 2007/07/02 |
JAN | 9784569692104 |
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反「道徳」教育論
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 電車の中で化粧する女。 外見ばかり気にする男。 批判的な眼差しを向ける大人に対し若者達は言う。 「別に人に迷惑かけてないじゃん!」。 この殺し文句に対する反論を、現在の道徳教育は持ち得ない。 「価値の多様性を認めましょう」といった美辞麗句では何も解決しない。 子供達には「己の美学」を持つことを教えるべきなのだ。 ほんとうに身につく道徳教育論を展開し、さらに「立ち会い出産」「強制ボランティア」「男女産み分け」「夫婦別姓」「死刑廃止」といった問題にも一石を投じる意欲作。 [ 目次 ] 序章 相手の立場を考えるとはどういうことか 基礎編(キレイゴト教育からの脱却 立ち会い出産は感動的なのか? 「ボランティア」とはそんなによいことなのか? 生誕の美学 死の美学) 応用編(「格差なき社会」は可能なのか? 「教育勅語」は唾棄すべきものなのか? 「夫婦別姓」は価値の多様性の表れなのか? 死刑囚の命は地球よりも重いのか?) まとめ(これだけは知っておきたい道徳理論 美学としての「自分らしさ」) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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平等偏愛にメスを入れる一冊。 学芸会で桃太郎が数十人出てくる喜劇。 運動会の徒競争でみんな1位の喜劇。 学期末の通知簿でオール5の喜劇。 みんな仲良し。命は地球より重い。 みんな助け合って譲り合って、みんな一緒。 学校や家庭でそう教えるも、現実との乖離は否めない。 そこを鋭...
平等偏愛にメスを入れる一冊。 学芸会で桃太郎が数十人出てくる喜劇。 運動会の徒競争でみんな1位の喜劇。 学期末の通知簿でオール5の喜劇。 みんな仲良し。命は地球より重い。 みんな助け合って譲り合って、みんな一緒。 学校や家庭でそう教えるも、現実との乖離は否めない。 そこを鋭く追及する。 格差社会や夫婦別姓、死刑制度や死生観など デリケートな問題をテーマにしているだけに そのズバリ批判はなかなか爽快な部分が多い。 リアリスト、というのもまた違う。 著者自身は法律でも憲法でもない部分に「美学」を求める。 どんなものが美学なのか、ということではない。 自分なりの美学を研ぎ澄ましているのか、ということが重要なのだと言う。 武士の美学、騎士の美学、若者の美学、女の美学、政治家の美学、技術者の美学。 人間の個性は知識や容姿よりも、この「美学」にこそ現れるのだと。 おおお、言うねぇ(笑) なかなか好きだよ、そういう考え方。 日本において、かなり多くの行動や思想は「自由」が与えられている。 思想の自由、言論の自由、就職の自由などなど。 そんな中で著者が問題視しているのは 「他人に迷惑をかけなきゃ何したってどうなろうと関係ないし、自分の自由じゃん。」 という「美しくない」セリフをしゃあしゃあと言う輩なのだそうだ。 コンビニの前に座り込んで煙草を吹かす人。 「見せパン」と称しパンツ丸出しで歩く高校生。 朝のラッシュに電車内で平気でアダルト雑誌を読む奴。 わざわざ法律で裁くまでもないが何かと迷惑な人々。 でも実害を被ったかというとそうでもない。 そういう人々にこそ「己の美学」という概念が必要なのだと説く。 また「平等」という言葉の「都合のよい捉えかた」にも言及している。 何がどのように平等なのかを考えず、 都合のよいときに「平等じゃない!不公平だ!」と唱えることが問題であるとする。 実はこれに関しては、かの有名な福沢諭吉が答えを出している。 天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずと言えり。 非常に有名な言葉であるが、文脈を知らなければただの平等主義である。 そのあとの文章が非常に大事なのだ。 なのに貧富の差もあれば身分の差もあり、 まさにそれらは雲泥の差である。 なぜかと問えば答えは明白。 賢人と愚人の差は「智」のあるなしによって決まるからだ。 そしてその差は「学ぶか学ばないか」によって決定されるのだ。(電電意訳) だからこそ福沢諭吉はこの本のタイトルを 「学問のすすめ」 としたのである! スッキリー! 平等というのはあらゆる自由が許されたり、 税金額がいっしょだったりとか、 生まれが違うとか、 そういったチャチなことではないと仰っているのだ。 リアリストながら堅実ですねぇ。さすがは一万円!
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最近,世の歯の浮くような「きれいごと」を聞くたびに虫唾の走るような思いがしていたので,久々にすっきりする主張を呼んだ気がする。 ただ,著者はいくつかの社会問題に対する主張を例に取りつつ世の「きれいごと」を切り捨てていくのであるが,道徳教育における現実的なスタンスの必要性を,社会...
最近,世の歯の浮くような「きれいごと」を聞くたびに虫唾の走るような思いがしていたので,久々にすっきりする主張を呼んだ気がする。 ただ,著者はいくつかの社会問題に対する主張を例に取りつつ世の「きれいごと」を切り捨てていくのであるが,道徳教育における現実的なスタンスの必要性を,社会問題に対する自己の主張と絡めて書く書き方に少し疑問を感じた。 わたしはそのそれぞれの意義を認めるが,一緒に語ることによって,本人のその社会問題に対する主張を述べているのか,道徳教育のあり方に対して投じた一石であるのか,かえって混乱するのではないかと感じた。 むしろ「きいれごと」という名の過剰な平等主義に偏ることがおかしいように,過剰な現実主義や格差肯定に偏ることも本来おかしいわけで(現実には後者への傾斜が,前者方向への傾斜に較べて少ないので筆者の気持ちはわからなくなはないが。),これがもしも末尾にあるように本来教育者向けの主張であるならば,むしろ反論を提示しつつ,最終的には偏らないことへの価値,ないしは両価値をきちんと提示することの価値ということについて記載すべきではないかとおもう。 「美学」という名で主張されている「信念」「信条」みたいな「思い」に対する見解も基本的に同意するが,繰り返しになるが,「美学」の必要性ということと,筆者自身が持つ美学の正当性の主張とは,別に主張されることが望ましいと感じた。
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