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さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生
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さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生

伊東乾【著】

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さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/集英社
発売年月日 2006/11/16
JAN 9784087813685

さよなら、サイレント・ネイビー

¥220

商品レビュー

3.4

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2023/09/22

本書はオウム真理教による地下鉄サリン事件を題材にしたノンフィクションである。 地下鉄サリン事件は、1995年3月20日の朝の通勤時間帯に、東京の地下鉄の丸ノ内線、日比谷線、千代田線の車両に、猛毒のサリンガスを撒くテロ事件である。14人の方が亡くなり、6,300人の方が被害に遭わ...

本書はオウム真理教による地下鉄サリン事件を題材にしたノンフィクションである。 地下鉄サリン事件は、1995年3月20日の朝の通勤時間帯に、東京の地下鉄の丸ノ内線、日比谷線、千代田線の車両に、猛毒のサリンガスを撒くテロ事件である。14人の方が亡くなり、6,300人の方が被害に遭われている。 実行犯の1人、豊田亨は東京大学大学院理学研究科で物理学の修士を取得し、博士課程に進もうとしていたところで「出家」し、オウム真理教の活動に深く関わることとなり、実行犯として本事件に関わることとなる。豊田は裁判で死刑が確定し、2018年7月に死刑が執行されている。 本書の副題は、「地下鉄に乗った同級生」であるが、筆者の伊藤乾は、東大の学部時代・修士時代の同級生・友人である。 最初に書いた通り、本書は地下鉄サリン事件を題材にしたノンフィクションであるが、事件の経緯や背景を描く種類のノンフィクションではない。 筆者の本書でのスタンスは一貫している。それは、「真の原因究明」であり、それを通じた「再発防止」だ。 それを綴った、本書の話の流れと筋は2つある。 筆者も豊田と同級生であるということは、物理学を志した科学者であるということだ。1つの筋は、本事件の重要ファクターである、マインド・コントロールを科学者として科学的に調査をしていることだ。 もう1つの筋は、なぜ、筆者が「真の原因究明による再発防止」が重要と考えるのかということを、太平洋戦争での教訓を例に引きながらの主張を展開していることである。 若干、話が跳んでいるのでは?と思ったり、あるいは、文章が分かりにくいなと思う部分もあったが、全体としては、とても迫力のあるノンフィクションに仕上がっていると思う。 題名の「さよなら、サイレント・ネイビー」の、"ネイビー"は、太平洋戦争中の大日本帝国海軍のことだ。多くの海軍軍人たちが、敗戦後、「潔く」黙って戦争責任を引き受けたように筆者には思えるが、そうではなくて、実際に戦争ではどんなことが起こっていたのかを語らないと「真の原因究明による再発防止」が出来ないということ。そして、それが、裁判中も多くを語らない豊田亨の姿にだぶっていることが、題名の由来だ。

Posted by ブクログ

2018/02/14

 あれこれ政治に口出しする陸軍と違い、海軍には黙って任務を遂行し、黙って責任を取る「サイレント・ネイビー」という言葉があったらしい。  大都会の地下鉄にサリンを散布するという、未曽有のテロを実行した犯人の一人は、エリート科学者の卵として最高学府の難関専攻で著者と机を並べたとの事。...

 あれこれ政治に口出しする陸軍と違い、海軍には黙って任務を遂行し、黙って責任を取る「サイレント・ネイビー」という言葉があったらしい。  大都会の地下鉄にサリンを散布するという、未曽有のテロを実行した犯人の一人は、エリート科学者の卵として最高学府の難関専攻で著者と机を並べたとの事。  実際にサティアンの跡を訪ね、同時刻の地下鉄に乗車を体験する。音響や薬物の影響、認知に先立って行動を起こす人間の行動特性、視覚と脳の血流なども調べながら「マインドコントロール」の可能性を探る。  遂に動機も解明されないまま、幕引きが図られようとしている、オウム裁判。かつての同級生と接見を繰り返しながら、人類が繰り返してきた過ちと同じ本質があるのなら、黙るのでなく、2度と起こらないように解明すべきと、著者は説く。 

Posted by ブクログ

2014/11/02

戦争という行為は理屈を越えた感情が関わっていると思っていたけど、そこに東大を代表とするキレる人たちが大きく影響していたのは驚いた。作者が豊田亨の友人であることから個人的な想いが含まれることは避けられないが、自我を持った個人でも所属する集団によって変わっていく様子は学校や会社に置き...

戦争という行為は理屈を越えた感情が関わっていると思っていたけど、そこに東大を代表とするキレる人たちが大きく影響していたのは驚いた。作者が豊田亨の友人であることから個人的な想いが含まれることは避けられないが、自我を持った個人でも所属する集団によって変わっていく様子は学校や会社に置き換えることもできるかもしれない。

Posted by ブクログ