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社会科学原論講義
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早稲田大学出版部/早稲田大学出版部 |
発売年月日 | 2007/01/10 |
JAN | 9784657071026 |
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社会科学原論講義
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講義録という性格が強く、全体を通しての主張は読み切れなかった。 強いて言えば、社会科学とは個人と社会の過度の専門分化に抵抗し、俯瞰的な視点を養う学問だ、というところだろうか。 「自由と秩序は両立可能か」そしてそれに引き続く「どうして経済は行きづまり、階級対立を引き起こすのか」という、社会科学の問題提起に対しては、先人の意見を引用するにとどまっていた。 以下印象に残った箇所を列挙。 ○アダム・スミスからケインズ理論・マルクス理論の流れに関しては、かなり納得のいく見解が示されていて面白かった。 ○フッサールの現象学は、私が不勉強なためうまく理解できず。 ○Ⅳ章は私の興味のある法・政治に関する言及が多く、なかなか読みごたえがあった。なかでも、「法治国家=自由経済を"法律"によって保証する」段階から「行政国家(政治国家)=自由経済にまかせていては格差が広まるので、"政治"が介入して是正する」という区分は、民主主義体制の発展をふまえていて分かりやすい。 ○Ⅴ章は、主に宗教的な観点から政治や社会について論じているが、あまり私としてはすっきりこなかった。とくに最終項の日本論がしっくりこない。筆者の「古代から日本人は遊びの精神を身に着けていたのであり、決して"働きバチ"的な要素はなかった」という主張には同感できる面もある。しかし、取り上げられている例が古代以来の上流階級を中心としたものであるので、少し納得がいかない。 2011/7/31 追記 なぜこの本から主張が読み取れないかが少しわかった。 西洋哲学の話をしていたらいきなり東洋哲学の話が入ってきたり、西洋哲学についても突如ギリシア古代思想にとんだり実在論にとんだり、あるいは近代社会科学に西洋哲学・東洋哲学を絡めてみたりと、意図的に話題を広く扱っていることが大きい。それゆえに、なんとなくすべてを消化しきれない感が残っている、ということかもしれない。 しかし、部分によってはかなり良いことも書いている(たとえば「社会科学の理論・歴史・政策」)。こういう試みは決して悪くはないだろう。
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