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宗教者に聞く!(上) 日本編 リレー講座 現代社会と宗教2
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 法藏館/法藏館 |
発売年月日 | 2007/01/15 |
JAN | 9784831856395 |
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宗教者に聞く!(上)
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・スピリットは日本語では「霊」と訳されますが、「自分の生きる意味」といっていいと思います。 ―高橋卓志 ・療養所でエイズ最末期の、死を前にした28歳の女性のケアをしたことがあります。体中がカビに侵されても「まだ生きたい」と言う彼女に、何と声をかけてよいのか分かりませんでした。すると一緒にいた僧侶が、「元気で生きていた10年前、20年前のあなた、それもあなたでしょう」と言ったのです。たったそれだけの言葉だったのですが、まるで女性の体に言葉がしみ通っていくように見えました。 ―高橋卓志 ・タイのカオラックに行った時、食中毒にかかり、安ホテルの一室でたった一人、「ひょっとしたら、このまま死ぬんじゃないか」と思うほどの苦しみを味わいました。 シミのついた天井や窓の外からの喧騒が体の上にのしかかってくるように感じられ、ずっといやだと思っていたことがパノラマのように目の前を通り過ぎていきました。あれは一種の臨死体験だったと思います。自分自身が苦しみを得て、死が目の前に来たとき初めて、ずっと付き合ってきた人たち、末期のがん患者や障碍者、高齢者を僕がどいういうふうに見ていたかが分かりました。 僕はこれまで完全な安全地帯にいて、自分は無痛の状態であるのに、その人と痛みを共有している、「共苦」していると思い込んでいたのです。だが事実はけっしてそうではなかったのです。 では一体、自分の苦しみを救ってくれる人は誰なのか?それは宗教者ではないでしょう。もしそこで宗教者に「こうすれば死を受け入れることができますよ」と言われたとしても、僕はそのとき、「それはいらない」と答えたと思います。自分が宗教の領域、手を差し伸べる側にいたにもかかわらず、です。 イングランドのホスピスで「ここに宗教者がいる必要はあるのか?」と訊いた時も、末期がん患者専門の看護師ははっきり「ノー」と言いました。 この時代に仏教は何をすればよいのでしょう。それを模索することすらしてもいないのが現状ではないでしょうか。使い古された教義教学を説教に使うことで、何パーセントの問題を解決できるのでしょう。教義から入っていくのではなく、現場から入っていかなければならないのです。 ―高橋卓志 ・戦後二十八年間、フィリピ猪野ルバング島に隠れていて帰国した元日本兵・小野田寛郎さんが塾を開いておられます。そこで教えることは二つだそうです。「自分にされていやなことは他人にしない」「一人では生きていけない」です。私はこれを聞き、すべての宗教に通じる考えだと思いました。 ―安田暎胤 ・ある高僧は、誕生日になるといつも同じ話をされました。修行中、肺結核になり、帰郷したことがあったそうです。古里に帰っても誰も近寄ってこない。そればかりか、いつ葬式かなんて話も耳に入ります。もはや人生これまでと思って自宅にいたら、風鈴が鳴ったのです。それで空気の存在を実感し、自分が呼吸し、その空気によって生かされていることに思いを馳せ、感謝するようになった。そうしたら少しずつ健康になっていったそうです。感謝することで細胞が活性化されたのではないでしょうか。 ―安田暎胤 ・ベトナム人のお坊さんにティック・ナット・ハンという人がいます。十年前に日本に来た彼の講演を聞いてファンになってしまいました。彼は白い紙を見せ、「紙の中に雲が見えますか。雲がなければ雨はなく、雨がなければ木は育たず、木が育たなければ紙はできない」と、一枚の紙が存在するのに雲がなくてはならないことを説明しました。雲と神は縁起の法則で相互共存しているのです。 縁起とは仏教のいちばん基本的な考え方です。すべての事象は単独で成り立つのではなく、まわりの多くのものと関係しながら成立しています。仏教では偶然とか絶対とかがありません。人は一人で存在しているのではなく、周囲の多くの人とのかかわり、社会とのかかわりによって成り立っているのです。 世界にはさまざまな宗教があります。しかし、かかわり合うことこそが大切と説いたのは仏教だけだと思います。 ―秋田光彦 ・鷹典院では芸術活動を通じて人や社会とのかかわりを学ぶ「アーツマネジメント」、人生の後半期を支援する「エンディングサポート」に取り組んでいます。さらに町全体を活性化させるため、コリアタウンなどの近くのNPOとともに進める「まちづくり」の取り組みがあります。 これら三つのプロジェクトで共通しているのは「気付き」です。エンディングサポートでは、死と向き合うことで生きていることに気付くのです。 ―秋田光彦
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