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男坂 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2006/12/10 |
JAN | 9784167471026 |
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男坂
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
「扇風機」「再会」「…
「扇風機」「再会」「サウスポ-」「パイプ」「長くもない日」「あかねの客」「岬」と題された短編7つが収録された本。いずれも、坂を下っていくような人生を歩んでいる男達の哀愁と寂しさに満ちた作品群。渋すぎる。
文庫OFF
純文学なんだろう。 大矢さんの解説を読んで、更にこの短編の重さを教えられた。 再読してみようかと思う。
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ハードボイルドの第一人者シミタツの珠玉の短編集。 40代をモチーフにしたものもあるが、基本的には団塊の世代から上の人生の最後の下り坂にさしかかった男たちの機微を見事なまでに描いている。 読み始めは少しぼくには早いかな・・・的な感じだったんだが、読み進めるにつれ深層心理の奥深くま...
ハードボイルドの第一人者シミタツの珠玉の短編集。 40代をモチーフにしたものもあるが、基本的には団塊の世代から上の人生の最後の下り坂にさしかかった男たちの機微を見事なまでに描いている。 読み始めは少しぼくには早いかな・・・的な感じだったんだが、読み進めるにつれ深層心理の奥深くまで届くようなその文体に正直心を奪われたまらなくなってしまった。 皆、それぞれにいろんな過去があり、その葛藤の中で人生を決める者、あるいはどうしようもない時に流れによって今を生かされている者・・・。 ぼくたちはある意味逆らうことのできない大きな波の上にいる。 その波の上で自分自身と人生をどう折り合いをつけていくのか。 それは自分自身で決めることであって、自分自身で納得するもの。 この本からはある種の寂しさのようなものが感じられる。 でもそれは決して人生のやり残し感ではない。 むしろ精一杯誠実に生きてきた自分の足跡を振り返った時に、なぜかしら頬をつたうように落ちてくる涙のようなものだと思う。 人生、辛いことの方が多い。 でも、ぼくたちはそれを飲みこみ、あるいはそれを吐き出し生きている。 その生き方の選択は人それぞれである。 この本はそんないろんなことをじんわりと感じさせてくれる。 長編を読むときは最初の1行でその世界に自分が合うか合わないかが、その本を購入する選択のキッカケのようなものであるが、志水辰夫さんの短編は最後の1行に男の哀愁の全てが凝縮されていてその各章の締めくくりが強烈に男のわびさびを感じさせる。 ふいに晩年のアートペッパーの「THESE FOOLISH THINGS」が浮かび、男坂のひとつの章を読み終えたあと、ヘッドフォンで聴いてみた。 晩年のペッパーの哀愁ただようサックスの音色とシミタツの文体がまじり、涙がとまらなかった。 ぼくは今、男としてどのあたりの坂を歩いているんだろう。 ・・・・そんなことを考えながら。
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