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天皇百話(上の巻) ちくま文庫
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天皇百話(上の巻) ちくま文庫

鶴見俊輔, 中川六平【編】

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天皇百話(上の巻) ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/筑摩書房
発売年月日 2006/10/15
JAN 9784480022882

天皇百話(上の巻)

¥880

商品レビュー

5

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2014/01/13
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昭和天皇をめぐる言説を、その立場を問わず年代を追って編んだ文集。本書は天皇の誕生から昭和20年の終戦までを追う。 各々の文章や著者の説明は最小限に留められているため、特に開戦の詔書から終戦の詔書へと続く文章では太平洋戦争中の指導者層の無責任振りが浮き彫りにされる。 印象に残ったものを列挙する。 兵役を拒否した日本人/稲垣真実 三度皇帝となる/愛新覚羅溥儀 開戦の詔書 終戦の詔書   二・二六事件獄中手記/磯部浅一 日本人の微笑/ロベール・ギラン 

Posted by ブクログ

2009/12/19

中川六平の『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』を読んだときに、たまたまこの本を見つけ、近所の図書館にないので、リクエストしていたらヨソの図書館からの相貸できた。 百話、というと、篠田鉱造の『女百話』とか、『明治百話』、『幕末百話』を思い出す。教科書に載ってるような幕末の話や明治の話...

中川六平の『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』を読んだときに、たまたまこの本を見つけ、近所の図書館にないので、リクエストしていたらヨソの図書館からの相貸できた。 百話、というと、篠田鉱造の『女百話』とか、『明治百話』、『幕末百話』を思い出す。教科書に載ってるような幕末の話や明治の話ではない「語り」が、過去を「こんなもんかな」と見ていたボンクラな目からウロコを落としてくれた。 この『天皇百話』も、そういうのに似たものだった。上の巻では、昭和天皇の誕生(1901年、この人は20世紀の始まりにうまれたのだった)から、1945年の敗戦の年までを、様々な人の記録や証言によって浮かびあがらせたものになっている。(下の巻は、昭和の終わりまでを収めているらしい。) 文庫本で700ページ以上ある中に、実にいろいろな文書が収められている。「皇室・宮家では里子に出す慣行があった」という話(明治天皇も大正天皇も昭和天皇も養育のために里子に出されている)は、宮本常一の「里親・里子」が引かれていることによって、皇室・宮家のみならず「うまれたばかりの子供を、里子に出す習慣は、京都大阪地方にあった」ものとして読み取ることができる。 宮本の文章のさいごには「このような里子制度はいまも続いているが、大正昭和になってからは、良家の子女が里子にやられるよりも、一家をなしがたいような家の子があずけられることが多くなってきているという」と書かれている。戦後の美智子さんの時代に「自分の手許で育てるようになった」ことや、核家族化の進んだことを考えると、産みの親だけではない、血縁だけではない関係の中で子どもが育てられていた習慣が、どうして変わっていったのだろうかと考えたりもする。 幼少時の昭和天皇を知る者が語った話のなかで、「さすがお品が高い」とか「さすが聡明であった」などと、将来の王者となる者の風格があったように書かれている部分は、「さすが女の子、よく気がつく」とか「さすが男の子、泣かずにえらかった」といった子どもの解釈に似たようなもんなんやろうな~と思った。 おそらく、こういう解釈の仕方をうまく使えば、"子どものエエとこを見つけてホメる"といった風になるのだろうが、単に見る者の思い込みや偏見で、「将来の天皇らしい」「女らしい」「男らしい」といった枠にぎゅうぎゅうとはめこむことにもなるのだろうと思う。 読んでいて、私などは「大逆事件」といえば、幸徳秋水や管野すがが死刑となったあの事件を思うが、「大逆事件」といえば、大逆罪を適用された事件を指すのであって、この幸徳らの事件のほか、朴烈・金子文子の事件や、難波大助事件なども「大逆事件」なのだなと気づく。 幸徳事件での12名死刑もすさまじいが、二・二六事件で将校ら19名が死刑というのもすごい。二・二六事件は軍法会議にかけられたものらしいが、どういう裁判がおこなわれたのか、当時の法はどうなっていたのか知りたくなる。二・二六事件での処刑は銃殺刑。 この本に抄録されている「不敬、反戦、反軍其の他不穏言動の概要」という内務省警保局の報告書は、南博編の『近代庶民生活誌 第四巻 流言』(三一書房、1985年刊)に収められているものだそうだが、これは一度見てみたい。 「不敬言動」として検挙されている「栃木 無職女」はこう言っている。 ▼「こんなに骨を折って子供を育てても大きくなると天皇陛下の子だと言って持って行かれて仕舞うのだもの嫌になって仕舞う、子供を育てても別に天皇陛下から金を貰う訳でないのに大きく育ててから持って行くなんてことをするのだもの天皇陛下にだって罰が当るよ」(p.567) 「戦死者遺族の反戦行為」として、息子の戦死を「所謂名誉の戦死否犬死を致し」等と書いて親戚知己や息子の友人に送った葉書を発信した例もあるし、学校児童の間に唄われているという替え歌などもある。 こうしたアンソロジーが、平成になって間もなく編まれていた。私はその頃に明治や幕末の百話を読んでいたのに、平成も20年経つまで、この百話の存在を知らなかった。 こうした天皇について述べたさまざまな記録や意見を見わたしてみたいと思った鶴見が、それを実際に本にできている時代であることは、幸いなのだろう。 上の巻のカバー写真は「沖縄市の美里児童園に現在も残る奉安殿」だという。

Posted by ブクログ

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