公訴取消し 検事・沢木正夫 双葉文庫

小杉健治【著】

• 販売会社／発売会社: 双葉社/双葉社
• 発売年月日: 2006/12/14
• JAN: 9784575511130

商品レビュー

2023/10/24

テレ東のドラマ、犯人役の刈谷務（山田裕貴）とが検事・沢木正夫（寺脇康文）が良かったなー、検事物としては最高の出来‼️
それは一見単純な怨恨殺人事件と思われた。少年院出の青年・刈谷努の犯行と誰も疑わなかった。しかし、検事の沢木正夫は刈谷の些細な言動に疑問を持ち、事件の洗い直しを始める。刈谷に翻弄され、苦汁を飲まされながらも、沢木は真実を追究するのだった。長篇検察小説『検事　沢木正夫』シリーズ第１弾！

2023/04/19

人に優しいサスペンス、小杉健治さんの作品に関する感想です。正直、物足りなさ感は否めないが、しかしながら温かさは感じられます。小杉さんの作品は、ほっこりしたい時お薦めですが、多少刺激が欲しい時はお薦めしません。

2015/04/15

検事が主人公のシリーズものは、古くは高木彬光の霧島三郎、土屋隆夫の千草検事、あるいは和久俊三の赤かぶ検事、最近では柚月裕子の佐方検事、等々錚々たる顔ぶれがあるが、本書の沢木正夫検事もそのメンバーに加えてもいいだろう。
証拠不充分な起訴に慎重な主人公は、上司から、君は臆病だと、言い放たれる。しかし、己の信念に忠実な主人公は、やがて事件の裏に隠された真実を探り当てる。
最近、あちこちの病院での医療ミス、あるいは不祥事が新聞をにぎわしている。本作も、事件の背景は医療過誤である。初出は2004年とのことだが、現在に時機を得たテーマである。今後もこういったテーマの作品が出ることを望みたい。
おのれの信念を貫く主人公の活躍に、読後も爽快感があり、主人公の妻の死に事件性もあり、また思いを寄せる女性との今後もどうなるか、それぞれの行く末がどうなるか、第2弾以降も楽しみだ。