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9.11と9条 小田実 平和論集
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大月書店/大月書店 |
発売年月日 | 2006/11/24 |
JAN | 9784272210916 |
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9.11と9条
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9.11と9条
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2007年7月30日は小田実の命日である。この前日参議院選挙があり、自民党が歴史的敗北を喫し結党以来初めて参議院第1党の座を野党に譲り、その1ヶ月後に第一次安倍内閣は瓦解した。 その数ヶ月前から小田実は新聞インタビューで自ら胃がんであることを告白し、尚且つ新書を発行し、小説も書...
2007年7月30日は小田実の命日である。この前日参議院選挙があり、自民党が歴史的敗北を喫し結党以来初めて参議院第1党の座を野党に譲り、その1ヶ月後に第一次安倍内閣は瓦解した。 その数ヶ月前から小田実は新聞インタビューで自ら胃がんであることを告白し、尚且つ新書を発行し、小説も書いていることを発言して、わたしは凄いなと思っていた。小田実の訃報に接した時に、小田実の執念がこの結果を産んだのかと、本気で思ったものだ。それから17年、あの時沈んだ安倍晋三は、その後浮き上がりとんでもないことをして、又沈んだが、今はそのことを書く場ではない。 その頃以前までは、小田実のことをよく知らなかった。「何でも見てやろう」「状況から」ぐらいしか読んでなくて、反共市民運動家ぐらいにしか思っていなかった。おや、と思ったのは彼が2004年「9条の会」の9人の呼びかけ人の1人に顔を連ねた時からである。ベ平連運動の事はよく知らなかったので、わたしはここで初めて小田実を平和運動家として意識した。本書は亡くなる半年前に発行された彼の平和論集である。 「はじめに」で第1章「9.11」と「9条」、が「この本の根幹をかたちつくる」と書いているし、彼の膨大な言論の全体的な批評は無理なので、この最後の平和論のみについてレビューしたい。 「9.11」とは、事件自体のみではなくその後の展開を意味する。米国の強大な軍事力にものを言わせての力のゴリ押し政治を、世界の規模において展開した事件のことである。ベトナム戦争と同じく「民主主義と自由」という名の大義名分の形骸化が、また起きていた。 米国にとって必要な事は、日本が「改憲」して戦争ができる国にすることである。それに対して、戦後「正義の戦争はない」思考が市民権を得てきた。と小田実は言う。これは第二次世界大戦以降、死傷者の大多数が、ただの市民になったからである(市民の犠牲者第一次世界大戦5%、第二次世界大戦48%、朝鮮戦争84%、ベトナム戦争95%)。このまともな認識、思考を一国の基本として定めたのが日本の「平和憲法」、その「9条」だった。 小田実の反戦運動の根幹には、大阪空襲で殺されかけた事にある。殺されないぞ、と「難死」にはならないぞ、とひとり1人の市民が立ち上がることを、いろんな言葉で繰り返し繰り返し彼は語った。 本書の巻末に、2006年5月の9条の会の講演録「憲法は今こそ旬」がある。「今こそ」というが、18年経った今読んでも「今こそ旬」なのだ。と改めて思った。小田実さん、良いネーミングでしたよ。
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