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『A』
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新風舎/新風舎 |
発売年月日 | 2007/01/09 |
JAN | 9784289012350 |
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『A』
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Aはatonemenet、贖罪のA。なるほどねえ。身近に凶悪犯罪者はいないから、死刑にならずひっそり社会復帰している人と知らずに結婚するという設定、考えもしなかっただけにぞわりとする身近さがある。とくに猟奇殺人を犯した未成年なんかは、たいがい過去も名前も変えてどこかにおるわけだも...
Aはatonemenet、贖罪のA。なるほどねえ。身近に凶悪犯罪者はいないから、死刑にならずひっそり社会復帰している人と知らずに結婚するという設定、考えもしなかっただけにぞわりとする身近さがある。とくに猟奇殺人を犯した未成年なんかは、たいがい過去も名前も変えてどこかにおるわけだもんなあ。真面目なエリートとばかり思っていた夫が実は猟奇殺人犯だとわかったら。そして我が子にその片鱗をみたら。ぞわわわわ。設定自体がものすごく身近にありえそうなサスペンスで面白い。ただ、主人公の優子がお嬢様すぎて、行動も起さなすぎで、そこが消化不良。さいごの賭けに出るようなクライマックスが、「意を決して義父に聞きにいく」って…。どうせ物語なんだから、夫と直接対峙してみるとか、息子がおなじような事件を繰り返しちゃって加害者の母としての苦悶がさらに襲ってくるとか、もうちょっとハードな展開のほうが、話題になったかもしんない。でも、事実を受け入れたときにしごくあっさりと夫殺害を妄想しはじめる優子のひんやり感が、強烈に印象に残ったわ。お膳立てをされた新しい人生も、結局は当人にとっては罰だったのかもしれないと思うと救われるしね。やったことは一生自分が背負うことになる。でも、それを死というカタチで償うより、自分のなにより大事なものを破壊される苦しみを味わうことを、ほんとうなら罰として神が与えてほしかったね。少年犯罪に関心がある人、心ならずも巻き込まれた方は、もっと違う深さで読めるのかも。こちらもイッキ読みできる1冊。
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