研修医に死の贈り物を 創元推理文庫

レイア・ルースロビンソン【著】, 清水ふみ【訳】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社/東京創元社
• 発売年月日: 2007/01/31
• JAN: 9784488174033

商品レビュー

2010/07/30

相変わらず登場人物の多さと、医学用語が飛び交うERの雰囲気に圧倒される。しかし、今回は大量の情報に惑わされずに犯人を推理することができたぞ〜(…終盤近く、でしたけど)。現代的な設定ですが、ミステリとしては割と古典的でした。それにしても、前回に引き続き、フィル(主人公エヴリンの恋人)は気の毒な男である。彼とエヴリンを含め、病院スタッフみんなが「医者の不養生」「紺屋の白袴」だと思ったよ。

2010/07/13

研修医エヴに届いた贈り物のきのこを食べた看護主任が中毒死する。きのこの送り主はエヴの恋人に付きまとうストーカー女性なのか？
エヴの推理が始まる。

病院の様々な人間関係に惑わされつつ読み進めたのだけど、途中で犯人が大体分かってしまう。
と言うのも、一番怪しいストーカー女性に対して｢実はそうではないよ｣という文章があちこちに散りばめられているから。
前作もミスリーディングを誘う構成になっていたけれど、今回のこれはどうなんだろ？
最初から怪しい人物を一人除外できるわけなので、作者の術中にハマるというこの手のミステリの楽しみが薄れてしまっているような…。
そしてやはりタイトルと表紙デザインで本格としては損をしているように思える。ERの緊迫した様子とか、医療関係者同士や患者とのやり取りなんかは面白いんだけどな。