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古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 角川ソフィア文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川学芸出版/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2007/04/24 |
JAN | 9784043574186 |
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古今和歌集
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原文の和歌、訳文、寸評の順に、丁寧に解説される。四季や心情を織り込んだ和歌を音読しながら味わうので1カ月以上かかってしまった。ビギナーズとあるがなかなか読み応えのある内容。コラム欄も勉強になる。 藤は春の終わりを飾る花とのこと。菊は中国から輸入、古今和歌集から盛んに詠まれるように...
原文の和歌、訳文、寸評の順に、丁寧に解説される。四季や心情を織り込んだ和歌を音読しながら味わうので1カ月以上かかってしまった。ビギナーズとあるがなかなか読み応えのある内容。コラム欄も勉強になる。 藤は春の終わりを飾る花とのこと。菊は中国から輸入、古今和歌集から盛んに詠まれるようになったとのこと。和歌のレトリックとして古今和歌集を代表するのは掛詞、縁語とのこと。掛詞は、文脈の複雑さとイメージの重層化をねらった、限られた音数内でより多くの意味を持つことを可能とした。例)はる(張る・春)ふる(降る・経る)まつ(待つ・松)。縁語は、中心となる語からイメージされる言葉で一首を構成、連想ゲームのよう。 糸・よりかくる・乱る・ほころぶ 古今和歌集の成立と歴史的背景、構造や配列、歌風、その後の影響などがまとめられている。 詠み人知らずの歌で特に気になる歌が多かった。韻律が美しい。付録の初句索引がまた良い。日本語ひらがなの素晴らしさにうっとりした。 花の香を風のたよりにたぐへてぞ鶯誘ふしるべにはやる(紀友則) 春ごとに花の盛りはありなめどあひ見むことは命なりけり(読み人知らず) 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらむ(清原深養父) 白露の色は一つをいかにして秋の木の葉を千々に染むらむ(藤原敏行) 山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば(源宗于) あさぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪(坂上是則) むすぶ手の雫に濁る山の井の飽かでも人に別れぬるかな(紀貫之) 人知れず思へば苦し紅の末摘花の色に出でなむ(詠み人知らず) 思ひつつなれば人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを(小野小町) 月夜よし夜よしと人に告げやらば来てふに似たりまたずしもあらず(詠み人知らず) 世の中は何か常なるあすか川昨日の淵ぞ今日は瀬になる(読み人知らず) 世の憂き目見えぬ山路へいらむには思ふ人こそほだしなりけれ(物部良名) すべての仮名を一回ずつ使って作られた歌。 天地星空山川峰谷雲霧室苔人犬上末硫黄猿生ふせよ榎の枝を馴れ居て (あめつちほしそらやまみねたにくもきりむろこけひといぬうへすゑゆわさるねふせよえのえをなれゐて)
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好きな歌が新古今和歌集だったのでそちらを先に読んでしまったが、新古今和歌集と比べるとこちらの古今和歌集の方がやわらかい印象。 今回この本に取り上げられていた歌の中で一際心に残った歌が、 しののめの ほがらほがらに 明けゆけば おのがきぬぎぬ なるぞかなしき なのだけど、夜が...
好きな歌が新古今和歌集だったのでそちらを先に読んでしまったが、新古今和歌集と比べるとこちらの古今和歌集の方がやわらかい印象。 今回この本に取り上げられていた歌の中で一際心に残った歌が、 しののめの ほがらほがらに 明けゆけば おのがきぬぎぬ なるぞかなしき なのだけど、夜が明ける様子を「ほがらほがら」と表現しているのが面白い。 「ほのぼの」だと悲壮感がなくむしろ夜明けが楽しみな感じがするのに、「ほがらほがら」だとなんだか自分の意思とは関係なく、無慈悲に時が過ぎていくような感じすらする。 またその情景を描写したあとに、別れるための身支度をしている様子が現実的で、ちょっと現代的にも感じた。 読み人知らずの歌だが、本書では身支度という日常を切り取っているところから、女性の目線なのかと書かれていて、なるほどなと思わされた。 そういうわけで、音の面白さ、情景の選び方、体験したわけではないのに作者の心が身近に感じられることなどから、私の本書No.1の歌である。
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ビギナーズと謳いながらも、なかなかの内容だと思う。和歌の意味も技法についての解説も適切。はたと膝を打つことも多かった。頭の整理にもいい。非常に読みやすい本だ。古今和歌集がその後の和歌のお手本とされたことがよく分かる解説だ。理知的というか理屈ぽいが、和歌の技法の基本的なことはここで...
ビギナーズと謳いながらも、なかなかの内容だと思う。和歌の意味も技法についての解説も適切。はたと膝を打つことも多かった。頭の整理にもいい。非常に読みやすい本だ。古今和歌集がその後の和歌のお手本とされたことがよく分かる解説だ。理知的というか理屈ぽいが、和歌の技法の基本的なことはここで出尽くしているのだろう。「本歌取り」という用語は生まれていないが、既にその手法も使われている。
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