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救急精神病棟 講談社+α文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 2007/04/20 |
JAN | 9784062810920 |
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救急精神病棟
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商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
本書を私は文庫版で読んだが、もとになっている単行本は2003年に発行されている。20年前の話だ。従って、その当時と現在では精神疾患、あるいは、精神疾患医療の状況なども大きく変化している可能性もあるが、本への感想は、本書を、すなわち2003年時点の状況をベースに記す。 2000年...
本書を私は文庫版で読んだが、もとになっている単行本は2003年に発行されている。20年前の話だ。従って、その当時と現在では精神疾患、あるいは、精神疾患医療の状況なども大きく変化している可能性もあるが、本への感想は、本書を、すなわち2003年時点の状況をベースに記す。 2000年当時で日本の入院患者数は、140万人。そのうち精神病で入院している人は34万人、約4人に1人の患者は精神病で入院しているのだ。この数字にまずは驚いた。日本全体で見れば、精神疾患で苦しんでいる人は膨大な数にのぼるのである。 本書は、千葉県の幕張にある「千葉県精神科医療センター」という県立の精神病院に3年間取材したノンフィクションである。「千葉県精神科医療センター」は、日本初の救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する施設で、「精神科救急」という分野の日本での草分けである。本センターは、早期治療・早期退院を目指した医療機関であり、「入院の対象を直ちに治療が必要な精神病の状態にある患者に絞って」受け入れることを基本的な方針としている。 精神科に「救急」というのも、最初はぴんと来なかったが、精神科の患者の病状には、放っておくと、自分あるいは他人を危険に(それも重度の)さらす可能性のある状態があり、緊急の入院が必要なケースがあることが、本書を読めばよく分かる。 日本の精神病患者の平均の入院日数は、376.5日である。一方で、本センターの平均入院日数は38.4日と圧倒的に短い。この数字には、日本の精神病医療の、ある問題点が含まれている。精神病患者を家族をはじめとした周囲の者は持てあます。病状が悪化した段階で通院をはじめ、更にどうにもならなくなった時点で入院し、ほとんど病院で「預かる」形となり、必然的に入院期間は長期化する。一方で、本センターでは急性期の患者のみを預かり、それを一般に比べると手厚い医療スタッフが「短期間での退院」を目指して治療を行う。入院の最初の時点で、目的や扱いが異なるのだ。 精神病は「治る」病気であるという認識が世界的に広がる中、外国では本センターのように、「早期治療」を目指すことが精神科医療の基本的な考え方になっており、本センターは、その考え方に従って設立されたものである。 というのが、本書全体の紹介である。 マクロで言えば上に記した通りなのであるが、本書にはミクロの話、すなわち、個々の患者や個々の医師や個々の医療スタッフの生々しい姿が描かれており、読む者は、ある種のショックを受けると思う。生々しい現実の姿が描かれていると同時に、日本の精神医療全体のマクロの話にも触れており、読み応えのある優れたノンフィクション作品だと思う。
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再読。 初めて読んだ時は「こんな世界もあるんだ……」と思った。 自殺の事例はやっぱり今読んでもつらい。
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約3年をかけ、現場で取材した400ページ超の力作。ショッキングなシーンもあって興味をひく。しかし「夏美の両親は、彼女が物心つかない頃に離婚し、実家に戻った母親と、初孫を目に入れても痛くない母方の祖母の手で、彼女は育てられている」といった、何言ってんだかよくわからない、プロとしてち...
約3年をかけ、現場で取材した400ページ超の力作。ショッキングなシーンもあって興味をひく。しかし「夏美の両親は、彼女が物心つかない頃に離婚し、実家に戻った母親と、初孫を目に入れても痛くない母方の祖母の手で、彼女は育てられている」といった、何言ってんだかよくわからない、プロとしてちょっとヤバいんじゃないかという文章もあって脱力。
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