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落葉 他12篇
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2007/02/25 |
JAN | 9784105090098 |
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落葉 他12篇
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
ガボさんの初期の中編『落葉』と、12の短編が収録されています。ガボさんによるマコンドを舞台とした短編・中編が後の『百年の孤独』につながっていきます。 短編は他の短編集で感想を書いたので (『青い犬の目』https://booklog.jp/users/junsuido/archi...
ガボさんの初期の中編『落葉』と、12の短編が収録されています。ガボさんによるマコンドを舞台とした短編・中編が後の『百年の孤独』につながっていきます。 短編は他の短編集で感想を書いたので (『青い犬の目』https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4828840095#comment 『ママ・グランデの葬儀』https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4087600793#comment)、 こちらでは『落葉』とその同じ語り手による『マコンドに降る雨を見たイサベルの独白』について書きます。 【落葉】 自殺した博士(ドクター)の葬儀を行おうとする大佐とその娘のイザベル、その幼い息子の三人の独白により、マコンドと一家の歴史が語られる。博士はマコンドでは爪弾きの身で葬儀も拒絶されているようだ。マコンドは衰退の一途をたどっている。三人の独白はとても静かだ。自分たちもこのままマコンドで埋もれていくしかないことを諦めてい受け入れいてるようだ。 三人の独白は一家の歴史を語る。 大佐と当時の妻はコロンビア全土で繰り広げられた保守党と自由党による内乱(千日戦争)を逃れてマコンドに着いた。妻は娘のイサベルを産んで死に、大佐は今の妻アデライダと再婚した。 ある日博士がアウレリャーノ・ブエンティーア大佐(『百年の孤独』とは違って俗物っぽい/笑)の紹介状を持って大佐の家にやってきた。くたびれた姿で食べるものといえば「山羊が食べる草を煮た物」だけ。 内乱が終わるとアメリカ資本に寄るバナナ農園が作られてマコンドは繁栄する。だがそれは時代と外国資本による旋風が撒き散らす「落葉」のようなものだった。その中にはイサベルの夫となるマルティンもいた。だが彼は去った。 医師として開業していた博士の仕事もなくなる。博士は大佐とアデライダとイザベルの家に居候し続け、メイドのメメを情婦にした。やがて二人は大佐の家を出て小屋に住む。だがメメはいなくなった。いつの間にか、どこへ行ったのか、誰にもわからない。 やがてバナナ農園は撤退し、マコンドにはその残骸の「落葉」しか残らない。 引きこもり続ける博士は、内乱の記憶を持つマコンドの人々からは忌み嫌われていた。かつて体調を崩したメメの診察を拒んだこと、怪我治療を求める村人の声にも決して扉を開けなかったこと、マコンドの司祭の葬儀に出ようとしなかったことなどからだ。司祭はカチェーロ(石頭)というマコンド出身の男だった。彼はなぜか博士とよく似ている。だが性質は正反対だったのだ。 大佐は、医師として博士に命を助けられた時の約束でこの嫌われ者の博士の葬儀を行おうとしている。 大佐の力も衰えている。アデライダやイサベルたち村人はすっかり諦め、マコンドを吹き飛ばす風を待つしかない。 全ては決まっていることのようだ、自分たちがこの戸のマリ雪を変えようとしてもおそらく無駄だと思った。全てが上位の意思で決められているかのようだった。 【マコンドに降る雨を見たイサベルの独白】 本来『落葉』の中に入れようとしたエピソードを短編として独立させたもの。他の短編集で読んだときはどんな状況なのか分からなかったけれど『落葉』の一場面ということで状況だけはわかった。 イサベルのもとにまだ夫のマルティンがいた頃長い雨が降った。マルティンはつれなく、声がしたところを見ても姿が見えない。 語り口の諦めた穏やかさは『落葉』と同じだが、『マコンドに降る雨』のほうがちょっと幻想的な感じ。 === ガボさんは「祖父に似ているのは『落葉』の大佐」だと言っている。得体のしれない男(博士)を居候させ、検事や教会からも疎まれている博士の葬儀を行おうとする筋の通った退役軍人だったのだろう。 『落葉』の大佐は、初期のマコンド、そして繁栄していたマコンドの記憶をもつ世代。外部の力による強制的な繁栄の旋風は「落葉」を連れてきたけれど、繁栄が無くなったら落葉の残骸しかない。もはやマコンドを再建しようとする力は誰も持っていない。吹き荒れた旋風と落葉だが、それがないと再建することもできないのだ。 翻訳者のセンスだと思うけれど、この諦めた穏やな語りはなんだか心地よいんだよなあ。滅びる悲しさや足掻きや内乱や繁栄の残骸は何もなく、ただただ無風の静かさ。
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「百年の孤独」で知られるガルシア・マルケスの初期の短編集。収録されているほぼ全ての短編は、死の匂いが纏わりついているものが多い。そしてその死の匂いは、コロンビア等、ラテンアメリカのうだるような暑さの描写と共に、恐らく耐え難いものになっていくだろうという不吉な予感を読者に感じさせる...
「百年の孤独」で知られるガルシア・マルケスの初期の短編集。収録されているほぼ全ての短編は、死の匂いが纏わりついているものが多い。そしてその死の匂いは、コロンビア等、ラテンアメリカのうだるような暑さの描写と共に、恐らく耐え難いものになっていくだろうという不吉な予感を読者に感じさせる強い筆力。 うだるような暑さの中で腐敗していく死体とその予感。そのリアリズムを容赦なく描き、ラテンアメリカという土地の独自性を読者に植え付ける。それはエアコンが発達した現代では考えられない現実であるということに。
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最初のほうの短編は、正直つらかった。ところが表題作の「落葉」の不思議な展開と描写には驚いた。というのも、ガルシア・マルケスを読んだのが初めてだったので。これからいろいろ読んでみよう。
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