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一人で始める短歌入門 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2007/06/08 |
JAN | 9784480423375 |
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一人で始める短歌入門
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商品レビュー
3.3
13件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
枡野さんの歌集、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』あるかなぁと下調べもせず棚を覗きにいったら、探していたものではなかったけど、この本があったので借りてきた。 CHINTAI「いい部屋みつかっ短歌」コンテストの審査員をされたときに出会った短歌たちとのこと。 引っ越しや部屋に関するテーマで詠われた短歌たち。 「ドラえもん」のときはそんなに感じなかったけれど、同じテーマで一冊集められるとやや飽きる。 ○○○○のレッスンと銘打たれた章が10章並ぶが、実際には筋道立った手ほどきといった感じではなく、各歌に対しての解説、枡野さんの読み、評価ポイントが1ページ程のエッセイ風に添えられている。 初読して「あ~あるある」と思う歌もあるが、解説があって「なるほど~、そういう読み方するのか~」と思う歌もある。 ただ枡野さんご本人の歌というわけではないので、それも詠み手の真意かどうかもわからない。 実際、枡野さん自身も「~でしょうか」とか、「わからないがゆえにあとをひく」とすら言っているものもある。 自分で感じたことを楽しむこと、他の人の解説を聞いて楽しむこと、読者としてはどちらも楽しいもの。 詠み手としては出来るだけ31文字で汲み取ってもらえる方が嬉しいのだとは思うが、日常生活でも察しの悪い自分は答えを聞けると安心する。 歌の技術的なうまさを論ずるところよりも、枡野さんがどこを評価ポイントとして捉えているかの人間性が出ていて、あぁこの人の感性いいなと思う。 「短歌に限らず、あらゆる表現は、孤独の中でうまれ、熟していくものです。」だったり、あとがきに添えられている「つ た え ら れ る」の文章は前述した「わかる」、「わからない」問題に対して、厳しめの言葉にも感じるが、実は詠み手へのエールのようにも思えて、こんな気概を持って生まれた作品に対してはたとえわからなくても、リスペクトを持って接したいと思った。 以下、ちょっと長いが、「つ た え ら れ る」より。 「伝わる! と本気で信じて書いた言葉も実際には伝わらないケースの方が多い。 いや伝わらないのが基本かもしれない。 かといって「きっと伝わらない」と先回りしてあきらめることは絶対許されない。 本気で伝わると信じて全体重をかけないと、奇跡的に伝わるという瞬間など永遠に訪れない。」 以下、気になった歌。 ※は枡野さんのコメント。 ◎特に好きだった歌 ○ドアが開き私に気づきすぐ閉めるお隣さんよモグラたたきか ※余裕がある歌は、「読者に届く」 ◎球場のどよめき風に乗ってくる部屋から二人始まりました ※耳や肌など五感に訴える言葉が、さりげなく詠み込まれている。わざとらしいところの一切ない、姿勢のきれいな歌だと思います。 ○新しいキーホルダーを買いに行く 合鍵くれた彼とふたりで ※ポジティブなことを堂々と書いて、それでいて読者を白けさせない作品というものを評価するようにしています。 ○ワンルーム泣きたいときに泣けなくて 今日のメニューはハンバーグです ○隣人運 吉と出たけどお隣さん あなたはどうです このわたくしで ※「お隣さん 私はあなたを気に入った あなたのほうはどうなんですか」という風に書いてあったら、ちっとも面白くありません。 ○隣人の顔も名前も知らないがベーシストということだけわかった ○ここを出てどこか越さなきゃいけないの うちへ来いって言ってもいいよ ※実際に口に出すことはできず、心の中でつぶやいただけのセリフなのかもしれませんね。そのように想像すると、いっそう切ない歌です。 ◎父親と引っ越す前に一度だけゆっくり食べた定食がある ○鼻毛切りバサミとハサミが同じ場所 単身赴任の父と暮らせば ○深夜のトイレ流すか流さないか迷った末やっぱり流し気分爽快 ○今回の帰省理由はどうしよう ただ会いたいじゃ気恥ずかしいし ○あっカレー! かと思ったらドライカレー 新生活はうんまぁまぁよ ※わからないがゆえに、あとをひく・・・・。 ◎パパの横取り合い泣いた三姉妹 今では一人一部屋欲しがる
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最初は5・7・5・7・7のルールだけって、言ったのに…! 短い詩だからこそ、言い回しや、一文字が肝になることがよくわかりました。 どれもそれも「部屋」をテーマにした百首ってところも面白い。 短歌コンテストに寄せられたのは8709首!だったそうだけど、採用されるにはまず、類想(同...
最初は5・7・5・7・7のルールだけって、言ったのに…! 短い詩だからこそ、言い回しや、一文字が肝になることがよくわかりました。 どれもそれも「部屋」をテーマにした百首ってところも面白い。 短歌コンテストに寄せられたのは8709首!だったそうだけど、採用されるにはまず、類想(同じような発想)が少ないことがいちばんだなと感じました。 ライバルが少ない分目に留まりやすい。 そんなアイデアが湧いて出るような私ではないので、難しいです。 あとはおなじ感情、情景でも、切り口を変えて考えてみる。 あと、ペンネームについて。 「月」という漢字は室井佑月さんくらいルックスとキャラクターが必要と書かれている。 穂村弘さんも「月」という漢字を入れるのはおすすめしない、というエッセイがあって、「月」という漢字が入ったペンネームのわたしは結構、気に病んだ。 でも、悩んでいたら、そのうち、無性に腹が立ってきて、最終的には、行っちゃる!このままのペンネームで行っちゃる!と、覚悟ができたので、お二方には、ありがとう、と、お礼を言いたい。
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短歌の入門書を期待して読んだのだけれど、そういう丁寧なガイドブックではなく、読者が詠んだ短歌を桝野がひとつひとつ添削していくという構成。従ってタイトルに偽りあり。興味深く読んだのだけれど、枡野はあまりエッセイやコラムは感心しない。彼が作る歌の方が遥かに魅力があるように思われる。そ...
短歌の入門書を期待して読んだのだけれど、そういう丁寧なガイドブックではなく、読者が詠んだ短歌を桝野がひとつひとつ添削していくという構成。従ってタイトルに偽りあり。興味深く読んだのだけれど、枡野はあまりエッセイやコラムは感心しない。彼が作る歌の方が遥かに魅力があるように思われる。それは多分桝野が喋り過ぎる類の人間だからではないか。余計なひと言が多過ぎるのだ。短歌だと切れ味良く言葉を切り詰められるので……本書に話を戻すと、入門書ではない。面白い本ではあるが、読者との馴れ合いを読まされているような気もしてしまう
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