新編 軟弱者の言い分 ちくま文庫

小谷野敦【著】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房/筑摩書房
• 発売年月日: 2006/11/10
• JAN: 9784480422798

商品レビュー

2022/09/04

米原万里さんが誉めていたので読んでみました。

屁理屈こねてるなぁ、と思う部分もあるけれど私が日頃モヤモヤしている違和感をスパッと文章にしてくれたりとしていて、その表現が私にはとても人前では言えないくらい痛快だったりするので、クククと笑わされたのは事実。

私はプチ虚弱体質なので、「軟弱者の言い分」には激しく共感し、そうだそうだ！と力強くうなずきました。
世の中の丈夫な人全員に読んでほしいと思うくらい。

「肩書考」では、一時期世間をざわつかせた「メンバー」を思い出して苦笑したり。

さすが学者だけあって、知識の幅広さには感服。
こういう本を時々読むと、自分の興味や見識を広げるきっかけになるなぁと思います。

面白かったけど、身近に小谷野氏みたいな人がいたらちょっと困惑するのかなぁ。

2020年35冊目。

2019/09/18

著者のはじめてのエッセイ集の増補版です。

テーマは多岐にわたっていますが、『もてない男』（ちくま新書）でも縦横に発揮されていた、極私的なこだわりから説き起こしつつ、文芸作品や芸術の蘊蓄をまじえつつ、独特のあじわいのあるユーモアをまぶしたような文章でつづられています。

著者自身は、井上章一の『つくられた桂離宮神話』（講談社学術文庫）に触れながら、「恨みつらみぶっちゃけ節」がきらいではないといっていますが、わたくしはあまりしつこすぎるのは敬遠したいと思うたちなので、図書館で著者が体験した理不尽についての文章はもうすこし刈り込んでほしかったと感じてしまいますが、本書は比較的そうしたしつこさは見られず、ただただおもしろく読みました。

2008/09/14

著者にしてはかなり軽めのエッセイがまとめられている。ちょっとずつ読もうと思っていたのだが、面白いので一気に読んでしまった。
加筆分がけっこうあるので文庫版で買った方が良いと思う。

450円。