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少女小説から世界が見える ペリーヌはなぜ英語が話せたか
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社/河出書房新社 |
発売年月日 | 2006/04/30 |
JAN | 9784309204598 |
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少女小説から世界が見える
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商品レビュー
3.8
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二〇〇六年の本。若草物語、家なき娘、小公女、赤毛のアン、あしながおじさん、の五作をメインとして取り上げているが、関連作品も数多く言及されている。 序章では、少女小説概論ということで、大まかな歴史や、国ごとの発展の事情、共通項についての考察。続く五章は一章一作品の形で論が進めら...
二〇〇六年の本。若草物語、家なき娘、小公女、赤毛のアン、あしながおじさん、の五作をメインとして取り上げているが、関連作品も数多く言及されている。 序章では、少女小説概論ということで、大まかな歴史や、国ごとの発展の事情、共通項についての考察。続く五章は一章一作品の形で論が進められるが、それぞれ作者の生涯と、作品あらすじが簡単にだが数ページ割いて説明されており、刊行年などデータも決まった様式で書かれていてる。「みんな知ってるでしょ」で済ませずにきちんと書いてくれているところが地味に嬉しい。コラムも「アニメになった少女小説」「花と少女」「赤毛の系譜」などとっつきやすいテーマで、初心者にも優しい。終章は「第一次世界大戦と少女小説」というテーマで四作品、一九九〇年代の作品まで射程範囲広く取り上げていた。 批評としてドキッとしたのは、小公女のセーラが、インドやフランスの要素を持つ風変わりな王女様であったのが、最後にはイギリスの良き娘に収まってしまうという話。家なき娘のペリーヌも、仏印混血という特性が徐々に抹消されていくとの指摘が。また、私は読んでいないが『ジェイン・エア』と『続あしながおじさん』そしてジーン・ウェブスターの実人生の類似の指摘なども、ちょっと恐ろしかった。 読んでみたくなったのは、モンゴメリのエミリー三部作。以前他の何かでも紹介されていて前から気になってはいたが、改めて。エミリー、ディーン、テディの三角関係が、オペラ座の怪人のクリスティーヌ、怪人、ラウルのそれに似ているとの解釈に興味を惹かれた。
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古書で購入。 少女小説における主人公の大まかな特性や、物語の流れを紐解いて時代考察を交えた本。 とても有名な作品が多いので実際に読破したことがない作品でも何となくわかるのが良い。興味が湧いた作品もいくつかあって読んでみたいと思う。 小説と作家の人生についてセットで書かれてあるこ...
古書で購入。 少女小説における主人公の大まかな特性や、物語の流れを紐解いて時代考察を交えた本。 とても有名な作品が多いので実際に読破したことがない作品でも何となくわかるのが良い。興味が湧いた作品もいくつかあって読んでみたいと思う。 小説と作家の人生についてセットで書かれてあることから、、社会における女性に対する史実としても興味深く読めたのが勉強になった。 少女小説はディティールが大事という部分は心に残った。 洋服やお料理、小物や部屋の描写など。 それは女だから男だからとかいうのとは違って純粋に「女性性」を満たしてくれるキラキラした要素が少女小説をまず支えているんだなと思ったから。(これが好きな人は男女ともにいると思う)
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※このレビューにはネタバレを含みます
「若草物語」「家なき娘(ペリーヌ物語)」「小公女」「赤毛のアン」「あしながおじさん」を中心に、少女小説から当時の社会を読み解く。 私は芯が強くて頭の回転の速い、心優しい女の子が好きなのですが、多分それは小学生の時に読んだ「家なき娘」のペリーヌの影響。 アンよりジョーよりペリーヌが好きです。 だからこの本の副題「ペリーヌはなぜ英語が話せたか」に狂喜乱舞してしまいました。 物語として、この5つの作品はそれぞれ面白いのですが、子どもの時には気づかなかった、社会とのかかわり。 「若草物語」が南北戦争の戦時下の、中流階級の家庭を描いたものであることはわかっていましたし、「家なき娘」や「小公女」がインドを植民地としていたヨーロッパを舞台にしていたことも、アンの子どもが第一次世界大戦で戦死したことも読んでいましたが、子どもの頃、それはただの物語の背景でした。 確かにそれは背景なのですが、そこには同じ白人と言ってもアングロサクソン以外の人への差別や貧困、インドに対する偏見、孤児が多くいた時代、女性の社会進出など、その背景から読み取るべきことは、たくさんありました。 子どもがそれを読み取るのは無理としても、大人はやはり、知っておくべきことなのかもしれません。 例えフィクションでも、宙に浮いたまま人や社会とつながりを持たない物語は、ただの消耗品に成り下がってしまうと思うのです。 子どもの頃から大好きで、何度も何度も読んだ作品を、新しい切り口で読み解くこの本は、とても刺激的で面白いものでした。 いつか自分の読解力だけでここまで読みこめるようになりたいものですが…。
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