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栄光なき凱旋(下)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 小学館/小学館 |
発売年月日 | 2006/04/15 |
JAN | 9784093797276 |
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商品レビュー
4.3
20件のお客様レビュー
図書館員に薦められて読んだ本。戦記物は好きだけど日系人の視点というところがなかなか面白い。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou5607.html
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第三部 疑惑 訓練キャンプで知り合うヘンリーとマット。キャンプ内では少数の本土出身兵士と多数のハワイ出身兵士が、いがみ合い衝突している。同じ日系人の中でも経歴や育った環境により相手を理解することができずにいた。また、ジローは南方戦線にて人殺しである自分を抑えきれずに、酒や喧嘩に明け暮れていた。 人種に限らず多数派と少数派、そこに階級などの差が生まれると支配や妬みが生まれ、人々の衝突へと繋がっていく。 第四部 戦場 マットとジローは南方の島で極秘任務にあたり、同じ日本人をその手で殺した。しかし、その任務は捨て駒を試すようなもので、現地ゲリラをも犠牲にするものだった。 ヘンリーは第100大隊としてイタリア・フランスに送られ、過酷な戦闘の中で仲間を失い、自分自身も失っていった。その戦いも、戦果を競う師団長たちが、机上の駒を動かすような命令であった。 この大戦は個人の妬み・恨みとは違った、国を動かす人々の思惑が始めたものであった。 第五部 裁判 ジローの裁判で再び会う、三人。ヘンリーは検事側の証人として、マットは弁護人側の証人として。そして第一級殺人罪で収監されるジロー。 そして刑期を終えたジローに二つの封筒が・・・。 日系アメリカ人としてのアメリカ社会での差別、戦争をしかけてきた日本への思い、戦争と言うものの犠牲。 日本人としての戦争経験はテレビや本でなんとなく知ってはいるが、日系アメリカ人としての戦争は初めて知り、第100大隊についてもそのような部隊があったことに驚いた。
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「ドブ漁りを自覚する者は、懸命に聞こえのいい名目を探し、自らの行為を正当化しようと血眼になる」 どの国家も個人も同じか。 違うのはチカラをもつものと持たないものの差、そこは戦場でも平和な日常でも立場が違っても変わらなく立ちはだかる。 それでも、それぞれのしっかりとした自らのアイデ...
「ドブ漁りを自覚する者は、懸命に聞こえのいい名目を探し、自らの行為を正当化しようと血眼になる」 どの国家も個人も同じか。 違うのはチカラをもつものと持たないものの差、そこは戦場でも平和な日常でも立場が違っても変わらなく立ちはだかる。 それでも、それぞれのしっかりとした自らのアイデンティティというものはそれだけでは縛られない強さをもつ。 それは日系アメリカ人として受けた日本やアメリカからの不当な扱いに対する感情を保つものであったのではないかと思う。 最後のシーンは物語であるが、ジロー、ヘンリー、マットという日系アメリカ人を通してそのことを強烈に表していていろいろなことを考えさせられる、そして物語のエンディングとしてすごくよかった。 星六つ
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