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歴史探索の手法 岩船地蔵を追って ちくま新書
定価 ¥748
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2006/05/10 |
JAN | 9784480062970 |
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歴史探索の手法
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
享保年間に民間信仰として流行を見た「岩船地蔵」の謎を追っていくことで、民俗学と歴史学の2つの学問が、それぞれ異なる結論へと導かれることを示した本です。 岩船地蔵に関する文字資料によって明らかにされた史実は、「岩船地蔵」信仰の流行が、村の秩序からの一時的な解放をもたらす熱狂を村々...
享保年間に民間信仰として流行を見た「岩船地蔵」の謎を追っていくことで、民俗学と歴史学の2つの学問が、それぞれ異なる結論へと導かれることを示した本です。 岩船地蔵に関する文字資料によって明らかにされた史実は、「岩船地蔵」信仰の流行が、村の秩序からの一時的な解放をもたらす熱狂を村々にもたらしたというものでした。しかし現在まで各地に伝わる岩船地蔵にまつわる伝説は、こうした文字資料によって知ることのできる歴史を伝えることはほとんどなく、むしろ水難救助や雨乞い、あるいは豊作をもたらす農耕神としての「岩船地蔵」信仰でした。 歴史学が、「特定の時代に特定の地点で起こった史実」を明らかにすることをめざすのに対して、民俗学は人びとが語り伝えてきた、いわば「累積する歴史」を対象とします。著者はこうした歴史学と民俗学のそれぞれが異なる結論へと導かれることを具体的に示すことで、この2つの学問の違いを読者に示しています。 著者自身が「あとがき」で述べていることですが、やはりもう少し明確な結論が与えられることを期待していたので、肩透かしにあったような印象は否めません。もちろん著者の意図はそれとして理解できるのですが。
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[ 内容 ] 過去の暗闇に隠れている出来事を発掘しその意味を考えることから歴史探究は始まる。 本書は、岩船地蔵と刻まれた一体のお地蔵様の発見から始まる、歴史探索のプロセスを開示したものである。 関東甲信・静岡の各地に散らばる地蔵を捜索し、関連の文字資料を発掘する過程で、江戸中期の享保四年(一七一九年)に、下野国の岩舟を出発点にして地蔵が村から村へ送られ、地蔵が通った各地の村に「岩船地蔵」が建立されたことが明らかになる。 なぜこのような流行仏が出現したのか。 何気ない路傍の地蔵から、歴史と民俗の織り成す豊かな水脈へと読者をいざなう、大人のための実践的歴史入門書。 [ 目次 ] 1章 岩船地蔵の発見 2章 流行神仏と江戸時代 3章 文字の中に探る 4章 岩船地蔵を追う 5章 下野国岩船地蔵 6章 関東の岩船地蔵 7章 信州から甲州、そして駿河へ 8章 非難される地蔵・取り締まられる地蔵 9章 流行神仏の時代 10章 その後の岩船地蔵 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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享保4年、岩船地蔵が関東地方に大流行したことがあった。着飾った念仏踊りとともに村から村へと村送りされ、武蔵、信濃、甲斐、駿河、遠くは越後まで伝搬した。この本では岩船地蔵そのものよりも、その流行の内容を文書、石仏など実際の事物に則して30年にわたって調査したものである。そして地道な...
享保4年、岩船地蔵が関東地方に大流行したことがあった。着飾った念仏踊りとともに村から村へと村送りされ、武蔵、信濃、甲斐、駿河、遠くは越後まで伝搬した。この本では岩船地蔵そのものよりも、その流行の内容を文書、石仏など実際の事物に則して30年にわたって調査したものである。そして地道な調査というのは文字通り地道な作業であって、華々しい学説などとは無縁の営みなのだなと実感する次第。
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